GWと草餅
少し前、私が子どもの頃に食べたのとすっかり同じタイプの草餅を売っている、老舗の和菓子屋さんを見つけました。
食べてみたら懐かしくておいしくて、「これをGWにも食べよう」と思い、昨日また買いました。
よもぎを混ぜた餅にきなこをまぶしたものです。
昔、まだ実家に餅つき機があった頃、GWの頃になると祖母が作ってくれました。
当時、祖母が「よもぎを取りさ行ってくる」と言うと、「おおお…!」と思ったものです。
ちなみに草餅は、近所や知り合いにも作っている人がたくさんいて、お裾分けをもらうこともよくありました。
この草餅、全国共通かはわかりませんが、地元では砂糖をつけて食べます。
旬のよもぎの香りと、大量の砂糖を直喰いしているという背徳感が最高です。
自宅にあったのは甜菜糖なので、粒が細かくて品のある感じになっていますが、実際はジャリジャリした白砂糖です。
今回買った草餅は、プロが作っただけあって形がきれいで、「これは誰が食べても喉に詰まらないのでは」と思うような、素晴らしい柔らかさでした。
本当に飲めそうなくらい柔らかかったので、美味しい美味しいと食べていたらあっという間に無くなってしまいました。
その無くなり方が、なんだか思い出の儚さとリンクしているように感じました。
春の暖かさと連休のうれしさで気分が高揚している中、家族で「おいしいね」と言いながら草餅を食べたあの日。
周囲の田んぼでは田植えが進んでいて、昼は農機具の音やいろんな人たちが作業に精を出す気配がし、夜はカエルの大合唱が聞こえました。
(※田んぼはやめる人が増えましたが、カエルは今もこの時期に行けば合唱してます)
ふと、からっぽになった皿とともに、周囲がやけに静かであることに気づきました。
私は、思い出も一緒に食べたのだなぁと思いました。
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