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変態ポエム達

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まいこプラズマは変態詩人です。
運営しているクリエイター

#イラスト

きぐるみ

きぐるみ

去年は
シロクマの
きぐるみで
過ごしました

今年は
そのシロクマのきぐるみに
黒い絵具で
柄を描きたした
パンダのきぐるみで
過ごそうと
決めました

来年は
クチバシを付けて
絵具でさらに柄を描きたした
ペンギンのきぐるみで
過ごすつもりです

再来年には
クビを作り足して長く伸ばし
全体を黄色に塗り直した
キリンのきぐるみで
過ごそうと目論んでいます

kiss

kiss

空洞が無いと
オカリナは
風の歌を聴かせてくれません

空洞が無いと
ドラムは
退屈な時間を切り刻んでくれません

空洞が無いと
ピアノは
弦をときめかせる事が出来ません

などと

空洞だらけの
ワタシが
言い訳をする

それでは

アナタの空洞に
ワタシの息を
吹き込んであげましょう

アナタの
歌を
聴かせてくださいな

天秤座のワタシ

天秤座のワタシ

扇風機の羽根に
纏わりついた
綿ぼこりが
窓をすり抜けて来た風に
ほつれて
ふうわりと
フロアに舞い降りてくる頃

天秤座のワタシは一つ歳を取ります

プロペラを持っているのに
電源コードで
壁に繋がれているが故
飛べない扇風機が
身悶えています

いいえ

あれは
機械仕掛けでスイングしているだけ

飛ぶ方法を
いくつかは知っているのに
いつまで経っても
飛ぼうとしないワタシは
一体
何に繋がれ

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インクが滲む

インクが滲む

涙で
インクが
滲んでゆきます

もつれた線が
解けてゆきます

意味は半透明になり
影を失ってゆきます

それは
生まれたての
原始の海のようにも見え
ワタシの心を癒してくれます

滲んだインクの浜辺に
木を一本描きました
小鳥のカップルも描きました
そうして
巣作りするカップルと
彼らの卵を描きました

いつでも
最初から
始められるのですね

風雨を防ぐ森も描かなくてはね
落ち葉の下には

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鍵盤と鍵盤の隙間に

鍵盤と鍵盤の隙間に

それは夢

花のように
鍵盤を
ピアノから摘み取る夢

ひとおもいに
撒き散らせば
フロアを埋め尽くす
白と黒

インプロヴィゼーションなお花畑
ケ・セラ・セラな作曲家はご満悦
偶然は
神の御告げと信じてる

だけど
探しものは
まだ見つからないの

ああ神様

鍵盤と鍵盤の
隙間に
隠された音を
お聴かせ下さい

言葉と言葉の間に折り畳まれ
誰かに見つけて欲しいと
揺れている
やわらかな息づかい

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念仏

念仏

テレビから
ラジオから
ネットから

「愛」を耳にしない日は無い

まるで念仏の様に

「愛してるんだ」
「愛をください」
「愛は終わった」と

「愛」が無いと不幸ですと
不安を煽っているのでしょうか

みんなを同じ方向に向けて
整列させようと
仕組んでいるのでしょうか

マインドコントロール?
新興宗教の布教活動?

なんだこれ
気持ち悪い

言葉は脱け殻
或いは
キンキラキンなラッピング

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Showroom Dummies

Showroom Dummies

理想の顔
理想のプロポーション
理想の立ち姿

工場で
愛を知らずに生まれた
理想の最大公約数は

誰にも
愛される事はありません

Showroom Dummies

わからない
体温の無いワタシには
わからない

美しいのに
愛されないのは何故

瞳を片方潰せば愛してくれますか
(出血なんかしないから平気)
腕を一本折れば愛してくれますか
(ネジを緩めるだけだから簡単)

わからない
体温の無

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ギザギザの

ギザギザの

虫に喰われた葉っぱ
一枚

ギザギザの
迷路
刻まれてる

右か左か
どちらが美味いか
どちらが軟らかいか
思案して迷走した結果でしょうか?

スズメかカラスか
外敵から
身を隠す為
キョロキョロして
迷走した結果でしょうか?

ギザギザの
迷路
刻まれてる

ワタシが歩んだ人生の軌跡が
もしも見えたなら
おんなじような
迷路なんだろうなぁ

ヨレヨレで
ギザギザの

ごめんなさい

ごめんなさい

「ゴメンナサイ」
「ゴメンナサイ」

相手の顔も見ず
こうべを垂れて
吐き散らかす
「ゴメンナサイ」は
届こうが
届くまいが
本当は気にしてなんかいない
大量生産される
お気楽な
免罪符

「ごめんなさい」
「ごめんなさい」

アナタの
瞳見つめて
クチビル噛んで
唱える
「ごめんなさい」は
世界で
だだひとり
アナタ
だけに
魔法をかけたくて
奇跡を起こしたくて
編みだされた
素敵な
呪文

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