平成100首選 1回目10首
はじまりました。平成を代表する短歌100首をあひるが独断と偏見により選定!え、昭和の歌が混じってる?え、なんでこの歌なの?いいじゃない、好きなんだから!ということで1回目はこちらの10首。とくに解説はつけません。お気に入りの歌をひとつでも見つけてくれたら、とてもうれしい。
あの夏の数かぎりなきそしてまたたつた一つの表情をせよ
小野茂樹
違う世にあらば覇王となるはずの彼と僕とが観覧車にゐる
黒瀬珂瀾
手をのべてあなたとあなたに触れたきに息が足りないこの世の息が
河野裕子
母の名は茜、子の名は雲なりき丘をしづかに下る野生馬
伊藤一彦
あっ、ビデオになってた、って君の声の短い動画だ、海の
千種創一
べくべからべくべかりべしべきべけれ鈴かけ並木来る鼓笛隊
永井陽子
桜ばないのち一ぱい咲くからに生命をかけてわが眺めたり
岡本かの子
たぶん親の収入超せない僕たちがペットボトルを補充してゆく
山田航
焼き肉とグラタンが好きという少女よ 私はあなたのおとうさんが好き
俵万智
終バスにふたりは眠る紫の<降りますランプ>に取り囲まれて
穂村弘
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