2024年2月5日の見解
金曜日の為替相場は、強い雇用統計の数字を受けて大幅なドル買いが入りました。
マーケットもマイナス予想だっただけに、「衝撃の強さ」に相当なサプライズだったと見受けられます。
そして米企業(GAFAM)の決算も出揃い、株価上昇の要因となり金利上昇をものともしない強さを見せています。
では金曜日の流れをまとめていきます。
動き出したのは米経済指標からになるので、NY時間からになります。
【米雇用統計】
【雇用者数】【失業率】【平均時給・前月比】【平均時給・前年比】
非農業部門雇用者数:予想18.0万人 結果35.3万人(前回21.6万人→33.3万人)
失業率:予想3.8% 結果3.7%(前回3.7%)
平均時給・前月比・前月比:予想0.4% 結果0.6%(前回0.4%)
平均時給・前年比:予想4.2% 結果4.5%(前回4.1%→4.3%)
とにかく強いの一言でした。
この結果を受けて、長期金利の上昇によりドルは大幅に買われます。
ドル円は一時148.586円付近まで上昇し、高値をキープしたまま引けている状態です。
雇用者数上がる:ドル高要因
失業率下がる:ドル高要因
平均時給上がる:ドル高要因
申し分ない結果となりました。
事前はマイナス予想だっただけに、このダブルスコアの結果が出ると流石にサプライズになります。
しかも、前月分の改定も12万人となり増えていることも要因ではあると思います。
この改定に関しては、毎年アメリカ統計局が年次改定を行なっていて、その数字自体が上がったことも要因としてはあります。
この結果を受け、米10年金利は4%台に回復しており、金利も堅調に推移しております。
ここまで上昇した要因として、細かい事を言えば元となるアメリカ人口自体0.9%増加している(移民労働者等含め)みたいで、ベンチマーク(基準)改定の影響があるとも言われています。
しかし失業率低下や平均時給上昇していることにより、雇用者数だけではなく、米国経済は強い状況であることに変わりはありません。
週半ばでは、米地銀の株価大幅下落などがありましたので、マーケットは「やはり利下げは必要か?」と思っている方もいたと思いますが、雇用統計がこれだけ強い数字で、米経済がこれだけ強いのであれば、利下げをする必要もないので、3月利下げに関しては更に現状では確率が低くなってきました。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-02-02/S88FOJT1UM0W00?srnd=cojp-v2
そして賃金の伸びも観測されていますので、続いて「インフレの再燃」が警戒されます。
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/O7BRVRPWVVLATAJY6JYXDXY3TY-2024-02-02/
マーケットもそれを把握し、本日のFedWatchでは以下の「3月据え置き(79.5%)5月利上げ(71%)」予想に傾いてきています。
この労働とインフレのバランスは非常に難しいところですね。
インフレを抑えるためには金利を高くしないといけないが、金利を高くすればするほど、景気や労働が落ち込みます。
なので今までこのインフレと経済のバランスをうまくまとめた人が歴史上いないのは、このような難しさがあるからです。
時代の流れもあるので、非常に難しいところではありますが、これを初めて上手に抑え込むのはパウエル氏になるかというところです。
ちなみに先週に「GAFAM」の決算が全てで揃いました。
結果は以下になります。
Meta:+20.32%
Amazon:+7.87%
Microsoft:+1.84%
Apple:-3.4%
Alphabet(google):-6.4%
米国の経済を支えるGAFAMですが、Metaの20%伸びには正直驚きました。
以下が上記企業の現在の状況です。
Meta:FacebookやInstagramの広告が好調
Amazon:年末商戦でのネット販売やIT投資が好調(AWSというクラウドサービスも好調)
Microsoft:クラウドサービスやIT投資が好調(AI産業を牽引している)
Apple:Apple製品のファンの獲得が強み(マイナスの業績に関しては中国事業がダメだったことが要因)
Alphabet(google):広告収入やクラウド事業で成り立っている(今回は上記企業の中でも広告収入やクラウド事業が鈍かった)
上記以外の米企業の業績も良く、力強さが目立ちます。
金曜日に関しては、引けでは「米株価3指数」全て、史上最高高値を更新している状態。
当然背景には決算が好調という理由もありますが、これだけ金利が上昇している中で、通常であれば株価は低下してもおかしくない状況ですが、現在の世界経済において「ドル高・株高」になるのも、米経済が好調な理由につながりますね。
そしてその他にも米経済指標が発表されているのでまとめます。
【ミシガン大消費者信頼感指数【確報値】】
予想78.9 結果79.0(前回78.8)
1年先インフレ期待:予想3.1% 結果2.9%
5年先インフレ期待:予想2.9% 結果2.9%
【製造業受注指数】
予想+0.2% 結果+0.2%(前回+2.6%)
ミシガンも強い数字だったこともあり、上昇の要因となります。
しかしインフレ期待に関しては低下しています。
要人発言も出ています。
【ボウマンFRB理事】
まだ利下げが適切な段階には達していない
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-02-02/S8914JT1UM0W00
本日の指標&要人発言
経済指標
仏、独、欧、英サービス業PMI【確報値】
米サービス業PMI【確報値】
ISM非製造業景況指数
要人発言
ピルMPC委員
ボスティック米アトランタ連銀総裁
上記になります。
そして今週のスケジュールは以下になります。
今週のスケジュール
<火曜日>
RBA政策金利&声明発表
RBA四半期金融政策報告
ブロックRBA総裁
メスター米クリーブランド連銀総裁
3年債入札
カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁
コリンズ米ボストン連銀総裁
<水曜日>
米貿易収支
クーグラーFRB理事
コリンズ米ボストン連銀総裁
バーキン米リッチモンド連銀総裁
10年債入札
ボウマンFRB理事
<木曜日>
中消費者物価指数
中生産者物価指数
米新規失業保険申請件数
バーキン米リッチモンド連銀総裁
イエレン財務長官の議会証言
30年債入札
<金曜日>
ブロックRBA総裁
独消費者物価指数【確報値】
ナーゲル独連銀総裁
上記となります。
今週は「RBA政策金利&声明発表」が控えています。
豪ドルを触る方は明日気をつけてください。
その他は要人発言が多く入りますので、突発的な動きには要注意ですね。
今週も引き続きチャンスだと思った所を狙い撃ちしていくトレードになりますので、とりあえず「夏時間」に入るまでは、無理して引っ張らず短期的な取引をしていくことを推奨します。
本日もよろしくお願いします。
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