Making of Jillian #1
多くの方が一度は経験があるんじゃないでしょうか。
頭の中に自分の想像上のキャラクターが住み着いていて、その子が独自の世界で生きている、そんな感覚が。
ジルは僕が創作活動を始める1年前ごろから脳裏にちらつき始めた存在で、「この世界をなんらかの形でアウトプットしたい」初めてそう思うほどの質量を持った世界を見せてくれました。
頭の中に住み着いた命は、いつか勝手にしゃべるようになりますし、いつか勝手に生活を始めるようになるんですよ。そんな彼女に実体を与えたかった。
今回は導入ということで、制作を始める前に僕がしていたことについて少し書こうかと思います。
以前も言いましたが、僕は”今の技術なら作れる”と思わない限りは制作をしません。というわけで、作業を進めるうえで自分が気にしていたポイントがこちら。
・素体は何を使えばいいのか
・角をどうやって作ればいいのか
・レジンアイをどうやって作ればいいのか
・肌タイツの染色はどうやってやるのか
・ケモノ風のボディ(下半身)はどうやって作るのか
創作活動を始めるまでの1年間はこれらの知識、技術を手元に集約するために奔走しておりました。
・素体は何を使えばいいのか
これが実際には一番最後に埋まったピース。基本的に僕は0からの制作はできないので、着ぐるみを作る際はぬこパンさん頼みなところがあります。素体を売ってくださってるところがあると知ったときは、目からウロコでした。
しかしながら、5式やKv型に代表されるようないわゆるアニメ寄りなイメージではなく、Di型のようなリアル寄りの素体を今回は探していました。ただ、背が高く決して細いわけではない自分にとって小顔な素体はなかなか厳しいものがあり難航。知らなかったんですね、F2という素体があるということを。
おそるおそる参加したキグルミWasshoiで180cmくらいの方が着用しているのをお見掛けしてからはあっという間でした。
・角をどうやって作ればいいのか
基本的にわからないことや知りたいことは、その技術を持っている人に直接聞いちゃうスタンスをとっているのですが、これは周りを見渡してみても声がかけられる範囲に人が見つからなくて苦労しました。
知識とかも全然なかったので、軽さ、強度、質感、簡便さを兼ね備えたものがなかなか見つかりませんでしたが、最終的にコスプレイヤーさん方面からいくつか案を頂きスタイロフォームでの制作に落ち着きました。
・レジンアイをどうやって作ればいいのか
これに関しては、いわゆるドール面をされている方々に片っ端から聞いて回りました。その折はご迷惑おかけしました...
・肌タイツの染色はどうやってやるのか
もともと生地の染色自体にはそれなりに経験があったのですが、今までにやったことがあるのは白べースで任意の色やグラデーションにすることだったので、デフォルトで色が乗っているものを任意の色にするというのは初でした。特に肌色のような、ごく自然な色はとても難易度が高いんですね。どうしても不自然さが気になりやすいんです。しかしながら、こちらは褐色肌タイツの制作経験のあるお方にご教示いただいてなんとか事なきを得ました。
・ケモノ風のボディ(下半身)はどうやって作るのか
完全に専門外です。型紙の作り方からあんこの作り方、ファーの扱い方まで。ですが、当然周りを見渡したってその技術を持ってる人なんて居ないのがこちらの界隈。ならばと思って、いわゆるケモノ界隈側にしばらく足を突っ込んでみたり、こそこそと制作オフに混ざって知見の収集をしておりました。ファースーツの内側とか、あんこの形状とかを生で見られるの、本当に有益なんですよ、ほんと。
前置きが長くなりましたが、
こんな感じでひたすら”使う技術の準備”をしておりました。ただ漠然と手を動かすだけじゃなくて、要るものを明確にして取り込んでいくと後々楽になるのでよいですよ。
しかして、そろそろ文章を見るのも飽きてきた人もいるかと思いますので、次回からは画像を交えながら、製作のお話をしていけたらと思います。
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