Making of Jillian #4

 こんばんは、リーシャです。
 今宵は先日に続き、ボディの作り方のご紹介をば。型紙と毛皮(?)までは終わっているのでもうひとふんばり。

・ボディのおはなし後編

 ケモノさんの着ぐるみはあんこをたくさん詰めてボディの形を整えて、あの人間らしくないフォルムにしていることが一般的かと思うのですが、いかんせん毎回同じようにあんこを詰めるのってけっこう難しかったりします。固定が甘いと動いているうちにずれてきちゃったりしますし。
 というわけで、今回はそういう手間や不安要素の排除、あんこを制作する手間をはぶくという目的でウレタンボディを作っちゃうことにしました。

 制作方法は何のひねりもなくて、ファーを切り出す時に使った型紙通りに3cm厚のウレタンを切り出して、Gボンドで組み立てる、というものです。
(ぶっちゃけやったことなかったのでうまくいくかは知らなかったのですが、なんとなくうまくいくでしょみたいな気持ちでやったとかなんとか。)

 立体から型紙を切り出しているので、何も考えずに組み立てるだけでもこんな感じに落ち着きます。(僕のお部屋が汚い全盛期なので背景がだいぶあれですが、そっとしておいてください、よろしくお願いいたします。)

 あんことか何も入れなくても、とりあえず履くだけでこんな感じのフォルムになります。良き感じではないでしょうか。これに毛皮をかぶせるとこんな感じ。

 全く同じ型紙を使っているので、毛皮を被せるときにサイズがぴったり過ぎて一苦労ありましたが、ひとまずボディはこのような感じになりました。(この後、ファーのおなかのところの配色が気に食わなくて毛皮を手直しする場面があったりなかったりしましたが)あとは尻尾をつけたり、はみ出してるウレタンを整えたり、おなか周りをベルトで締められるようにしたら完成です。下半身完成まで残るは靴。

 まずは、前回紹介したスタイロフォーム製の靴の表面を保護する必要があります。使ったのはこちら、竹林化学さんのタケハード。表面に何層かこれを被覆することで、硬質な表面が得られます。
(とはいえ力をかけすぎるとすぐ割れますが)

 靴を作る際は、塗布して完全硬化という流れを3回繰り返しで行っています。

 完全に硬化したら、靴の底に5mm厚のゴムシート、側面には2mm厚のウレタンをボンドで貼っていきます。

 当初、側面のウレタンは貼っていなかったのですが、この後の行程で合皮を貼る際にもともとのスタイロフォームの段差が目立ってしまったので急遽貼ることにしました。さすがにガタガタすぎて許容できませんでした...。

 あとは、これまでと同じようにこの靴の型を取って型紙を作成し、型紙をもとに作った合皮のカバーを被せます。

 ここまでくれば、下半身は完成したも同然。先ほどのボディと合わせつつ、隙間ができたり、下のウレタンが見えてしまう部分にファーを貼り込みます。ボディの模様とある程度違和感なくつながるように気を付けましょう。(一度豪快にやらかして悲しみにくれた)

 結構ずっしり感のある良い塩梅のケモ脚になったんじゃないでしょうかー。どうしても重みを表現したかった。かわいさとかない荒々しい感じの...。

 ちなみにどうでもいいかもしれませんが、このボディに使うファーを選ぶにあたってとてもこだわった点があって、それは「できる限り固そうでごわごわした毛質」のものを使用する、ということです。ジルちゃん触ったことがある方は分かるかもしれませんが、いわゆるケモノ着ぐるみのような、やわらかくてもふもふ、ふわふわ、といった感覚は全然ありません。毛の色もちょっと汚れたような色だったりします。
 理由は簡単。森の奥深くで生活している野生動物は、そんなに綺麗じゃないからです。

 というわけで、2回にわたってお送りしたボディのお話ですが、この辺で幕引きとさせていただこうかと思います。ちょっとでも、「へぇ、こんな感じでやるんだ」と思って興味を持っていただける方がいましたらこれ幸い。もっと詳しく知りたい!等ありましたらお気軽にどうぞ。

 これで一番の重労働だったボディの紹介が終わったので、次回からはお面の話ができたらなと思います。それでは皆さん、おやすみなさい。良い夢を。

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