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私だけの特捜最前線→25「完全犯罪・350ヤードの凶弾!~大物政治家に敢然と立ち向かう橘刑事の執念」

※このコラムはネタバレがあります。出演者は敬称略

この作品は、巧妙な手段で殺人を実行する大物政治家の姿を冒頭で視聴者に見せ、そのトリックを刑事たちがいかに暴くか、という視点で物語が進められて行きます。主役は橘刑事(本郷功次郎)です。

大物政治家(嵯峨善兵)の側近とも言える政治家が、特命課や大物政治家の目の前で射殺されます。橘は、大物政治家の挙動に不信感を抱き、周辺捜査をしながら状況証拠を集め始めました。

大物政治家は、特命課に乗り込んで神代課長(二谷英明)に圧力をかけてきます。その態度に橘は、大物政治家こそ「犯人」だという確信を持ち、自らのクビをかけて敢然と立ち向かうのです。

神代は、橘に「謹慎」を命じます。が、それは橘が自由に動けるようにするための方便だったのです。橘の持ち味である地道かつ丹念な捜査により、大物政治家の犯罪を匂わせる状況証拠がそろいつつありました。

その間、橘は一時捜査に行き詰まり、本当にクビを覚悟した時もありました。しかし、桜井刑事(藤岡弘、)をはじめ、同僚刑事たちは橘の姿に奮起し、協力を惜しみません。素晴らしいチームワークです。

ドラマを通じて、橘刑事が特命課の支柱的存在であることを示すとともに、とくに若手刑事たちが橘を慕い、心を一つにする姿を描いています。そのチームワークによって、大物政治家のトリックが崩せたのです。

大物政治家には、戦争で人殺しをしていたという過去がありました。そのことに真摯に向き合わず、逆に屈曲した形で彼の人格の中に残ってしまい、些細な理由から殺人を犯す結果になったのです。

ウクライナへのロシア軍侵攻のニュースが連日伝わっています。戦場の最前線では、大物政治家と同じように「人殺し」をさせられている軍人たちがいるという悲しい現実に、怒りを覚えてやみません。

noteでは連載コラム、エッセイをほぼ毎日書いています。フリーランスのライターとして活動中ですが、お仕事が・・・ご支援よろしくお願いいたします!