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アリ同然なのだよ

尋常じゃなく暇である。
まあ、暇だから始めたブログなのだが。

手持ちぶさたな時、僕のすることは大体決まっている。Twitterを眺めるか、LINEの返信をするか、YouTubeを見るか、、嗚呼、怠惰。生産性のひとつもありゃしない。生産的な活動をしているといえば、このブログくらいかな。

怠惰なのはいいとして、今日、YouTubeでアリの飼育動画を見た。小学生の自由研究とかでよく使われる、アリが巣を作るキット。たくさんのアリさんが、せっせこと穴を掘って巣を作っていた。なんか可愛かった。僕自身がアリの飼育をした記憶はないが、なんとなく懐かしかった。不思議なんだけど、経験がないのに懐かしく感じるものやことが、あったりする。なんでだろう。

ともあれ、そのアリさんの動画の中で、興味深い言及があった。「働きアリの法則」ってのがあって、「2-6-2の法則」とも言うらしい。

実際にはかなり専門的な研究がなされているみたいだが、とっても簡単に言ってしまえば以下のような法則がある。みたい。

・働きアリのうち、よく働くアリは2割程度
・6割の働きアリは、時々サボり、時々働く
・残りの2割のアリは、ずっとサボってる

ほへーん。人間みたい。

働きアリって童話とかでは、みんな健気に働いてるイメージだった。でもなんか、ほっこりした。ずっと本気100%で働けるアリも人も、めったにいるもんじゃない。それでいいのだ。

でもこれ、別に8割のアリさんが怠惰だとか言うんじゃないらしい。これくらいの比率で働くのが、組織全体としては効率が良い。とのこと。

よく働くアリは、当然だが死のリスクが高い。2割のよく働くアリが何らかの理由でいなくなると、残された8割のアリの中から2割が、新しいよく働くアリになる。全アリが過労死して全滅するということのないように、組織内で2-6-2が保たれる。なるほど、効率的。

で、さっき人間みたいって言ったけど、そう思うのは僕だけじゃなくて、世の経営者はこの法則を参考に社員のマネジメントをしたりする。

例えば何かプロジェクトを始めるとき、チームを編成する。そのチームを2-6-2で作る。リーダーシップがとれる人材を1人、指示があれば動ける人材を3人、まだまだヒヨッコの新入社員を1人の計5人のチームとか。なるほど、ありそうだ。そしてなんだかうまく行きそう。

上の例は、なんだかとっても良い感じだけど、多分世の中そんなにキレイに行かない。2-6-2の法則は熟練度じゃなくてやる気の法則だもの。働かない2割のアリが新入社員であるとは限らないし、よく働くアリがリーダーシップをとれるとも限らない。やる気のない人材だと烙印を押された社員は、尚更働きたくなくなるだろうし、自分より経験の浅い人材が出世するのを見て不快に思う社員もいるだろう。

アリの社会は、良くも悪くも効率的で、完成している。組織の存続が最優先事項なのだ。だから個々を犠牲にしてでも、徹底した効率化がなされる。2-6-2の法則の他にも、例えば老いて死期迫ったアリが巣の外で危険な役にあたり、若いアリたちは安全な巣の中で幼虫の世話をする。とか。

効率的で理にかなっているけれど、人間の社会には適用できない。人間にはアリよりも複雑な感情があるし、なにより道徳というものがある。個々の人間にも、守られるべき尊厳がある。死期の近い老人に危険な仕事をさせるとか、道徳に反する効率化は社会に忌避される。

人間の社会は、きっとアリの社会よりも不完全で、不条理なものだ。効率化を求めてアリ社会を目指しながらも、様々な感情に阻まれてアリになりきれない。かといって道徳を尊重しすぎて非効率を極めてしまっても、経済的に生き残ることはできない。最適解がどこにあるのか、探り探りである。

突飛な話だけど、少しだけ的を射ているように思えるなあ。ダーツなら10点くらい貰えるんじゃない?ダーツのルール知らんけど。

結局のところ人間は、アリの社会を目指すべきなのだろうか。アリなら僕は、2-6-2のどのアリになったら幸せなんだろうな。なんて考えながら、今日も暇をもて余すのです。今んとこは、働かないアリですね。

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