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私はシャンパンが好きではない。


シャンパン。

グラスの中の泡が消えることなく夜を越えたカップルは永遠に結ばれるという。
そんなことをどこかで聞いたことがある。


シャンパン。
日本は世界でも有数のシャンパン消費大国で、先日アメリカ、イギリスに次ぐ消費量世界3位につけたという知らせを聞いた。


シャンパン。
そのポンと抜かれる栓の響きとともに祝杯が挙げられ、今日も夜の街ではシャンパンを前にバブル顔負けのお祭りが催されている。


なにがそんなに嬉しくてシャンパンを開けるのか。


前回シャンパンに触れたときは人の感情を巻き込むブランディングに成功していることがシャンパンというブランドを支えていると述べた。

今回はそんなシャンパンに対する自分の本音とボトルの中身を覗いてみたい。

シャンパンとは、スパークリングワインの中でもシャンパーニュ地方で作られる、収穫方法やら、瓶内での発酵などの厳しいルールの中で作られているごく限られたものを指す。
くれぐれもスパークリングワインを見てどれもこれもシャンパンだとは言わないでほしい。
誰も突っ込まなかったとしても冷ややかな目で見られるかもしれないので。

そして私は思う。

もし彼らのような全く知識のない消費者がシャンパンとイタリアのプロセッコやスペインのカヴァ(どちらもスパークリングワインの一種)を飲み比べたらどちらがおいしいと感じるだろうか。そしてどちらがシャンパンかと尋ねるとどちらがシャンパンと言うだろうか。

勿論プロダクト毎に特徴も違うし一概には言うことができないのは分かっている。
分かっているが敢えて言わせてもらうと私は後者だと思う。
少なくとも私はこれがかの有名なシャンパンかと思って飲んでもしっくりこない。

というのもシャンパンには常に酸化した香りがあるからだ。
そして彼らが守り続けている酸だって、日本人の口にはきつすぎないかと思うのである。
以前読んだ田中克幸氏の本にも日本人の多くは、酸はあまり好まないとの記述があった。

あの酸のきつさと、なんとも言えぬ酸化したリンゴの香りにはどうも賛同できない。

基本的に白ワインはフレッシュさが大事だ。
私は軽くオークの香りの入ったような白ワインが一番好みであるがそれでもフレッシュさは捨ててはいけない。

しかしシャンパンはいとも簡単にフレッシュさを覆ってしまう香りを持ってしまうのだ。
これは製造過程における熟成然り、複雑さを評価する傾向などによってもたらされているものだと思う。

そんな彼らの目指す先に私の飲みたいと思うワインがあるとは到底思えないので、私は結局カヴァをいつも選んでしまうのである。

シャンパンのブランドもプロダクトも悪いとは思わない。
実際世界で評価されていることも事実だ。

でもスパークリングワインはシャンパンだけじゃないということを知り、次の機会にはぜひお財布にも優しい「スパークリングワイン」を一度手に取って欲しいと思う。


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