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短歌27~マスクを外すきっかけ

今朝、NHK連続ドラマ小説「舞い上がれ」の最終週を見終わりました。朝ドラを完全に見終えるのは50年生きてきて初めてのことでした。
最終週は年月の流れが速かったですが、毎回涙を流しながら見ている自分がいました。

途中、ドラマの中にもコロナ禍が訪れるのですが、久しぶりにテレビの中の人々が全員マスクしているシーンでは、とても違和感を感じました。マスクのない日常を取り戻しつつある証拠でしょうか。

政府からの「マスクは自己判断で」というお達しが出てから、私は極力マスクなしで外出するようにしています。幸い花粉症も全くない、というのもマスクを外せる条件だったのかもしれません。

先日、職場で同僚にマスクの着用について尋ねてみました。
すると彼女は「マスクに関する(上司からの)指示は何もないけど、だれも外してないよね、まだ外せないよね。」と言いました。

日本人の多くが、きっと彼女のように言うのではないかと思います。


ある報道番組で、感染予防の観点ではなく、今マスクを外せない若い人たちが多くいると聞きました。いわゆる「顔パンツ」です。
マスクで顔を半分隠していることが日常となり、今更さらけ出せないという異常な状況が生まれてしまった。

マスクをするようになって、女性は口紅を引かなくなったり、男性も無精ひげのままでもわからなくなりました。

口を噤むことで、余計なものを吸い込まなくなった分、大切なものを吐き出せなくなった。
口を開かないことで、余計な一言を言わなくて済んだ分、大切な言葉を伝えなくなった。

ちょっと大げさかもしれませんが、私は個人的にそんなふうに感じています。
そういう私も、マスクをしていることで、今まで口にしなかった悪態が多くなったと感じています。満員電車や人通りの多い道で、心の中のイライラを微かにマスクの下で吐き出している醜い自分がいます。
だって、マスクはそんな醜い自分を隠してくれる便利なものなんですから。
目だけ笑っていれば、汚い言葉を吐き出しても気付かれない。まさに「笑いながら怒る人」です。


私はこの春、新しい口紅を買いました。
マスクを取った自分を楽しもうと思ったからです。

口紅といって思い出す女優さんがいます。

今井美樹さん

私と同年代の方は、きっと彼女の口紅のCMを覚えているのではないでしょうか。
ひょっとしたらコンプレックスだったかもしれない大きめの口元に、真っ赤なルージュで視聴者に笑いかける今井美樹さん。
あの笑顔を見て、女性たちはみんな赤い口紅を買ったものです。

いまこそ、、あのCMを流してほしい。
そうすれば、顔パンツなんて言葉、この世界から葬ることができるんじゃないか。私はそう思います。

決してマスクを外せと言っているわけではありません。
「みんながしているから」
という理由なら、それはナンセンスだと私は思っているということ。そして、資源の無駄かも

そしてマスクを外せなくなった若い世代には、自分の顔には責任を持つという姿勢を、大人が見せてあげることも教育だと私は思っています。

花粉症の終息とともに、本当の意味でマスクの着脱の「自己判断」ができる人が増えてくるといいなと思います。




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