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ファション再興論 第一回 〜ファストファッションの成果と功罪〜

現代日本のファッション業界は大きな危機に瀕している。

またそれと同時に大きな転換期でもある。ファストファッションの世界的な支配、SNSの発展によるオシャレな人が増える一方でのオリジナリティーの欠如、服の売れない時代などなど、様々な事象が生じている。

ファッションが好きな経営学を学んだものとして、俯瞰的に、経営的な視点、服好きとしての視点から私の理想やあるべき姿を述べていく。備考だがゆくゆくは私はこの業界に参入し、革命をもたらしたいと考えている。

また書きたい事が溢れているので、シリーズ化して書いていこうと思う。


第一回は「ファストファッションの恩恵と功罪」だ。

私たちの生活になくてはならないと言っても良い、ユニクロ、H&Mなどのファストファッション。彼らは多くの恩恵を私たちにもたらした一方、多くの地殻変動を引き起こした。それらについて以下の目次のステップで述べていこうと思う。

1.ファストファッションの恩恵                     2.ファストファッションの功罪                     3.ファストファッションのこれから

では早速書き記していく。


1.ファストファッションの恩恵 

私たちは言うまでもなくファストファッションの恩恵を受けている。ユニクロやH&Mなどのファストファッションで服を買った事がある方がほとんどだろう。服にこだわりのある私ですら、エアリズムなどのインナーや靴下など比較的消耗品とされるものはよく買っている。

ファストファッションの魅力は、価格が安い・手軽に買える・幅広いジャンルの商品が揃っている。この3点だと私は考えている。

その中でも、私の考える、一番ファッション業界に影響を与えたポイントが、「価格の安さ」だろう。

それ以前のファッション業界はとにかく衣類の値段が高かった。例を出そう。江戸時代から昭和前期にかけての日本を想像してほしい。衣類を自宅で作って着ていたのは有名だろう。そうしてその生地が破れたら、自ら縫製する。それはなぜか、、、それは衣類の値段が高かったから。

衣類を作るのには、多額の人件費がかかる。それが最も大きい。当時は職人が作っていたため、作るのに時間がかかり、結果的に価格が跳ね上がってしまったのだ。いわゆる手間暇というやつがかかっているのである。現代でもルイ・ビトンなどハイブランドにおいては手作業を織り交ぜたりしている商品もあり、それに伴い価格が上がる傾向にある。(実際はブランディングが利益の大半でそれに伴い価格が上がっているのだが)

またデニムのジーパンを想像してほしい。ジーパンの歴史は古く、かのリーバイス社が全てのジーパンの源流だと言われる501を発表して100年以上が経っている。その当時はミシンは使われていたものの、手作業で作られていた。よって手間がかかり価格も高かった。ここから工業化は始まっている。次は工業製品化である。

さあ21世紀に戻ろう。ここでようやくファッションの工業製品化が始まった。安定した品質の商品を大量生産する事で、高品質かつ安価な値段で衣類を提供できるようになった。

今ではユニクロは衣食住の中の「衣」を支えるインフラになったと言っても過言ではない。


2.ファストファッションの功罪

次はファストファッションの負の側面を述べていこうと思う。

まず1つ目が「個性が消えること」である。それは当たり前のことで、工業製品とは同じ品質の商品を大量に作る事が目的であるため、同じような見た目や雰囲気のファッションが生まれやすい。もちろんプチプラと呼ばれる低価格でオシャレな格好をするジャンルもあるが、それはそれで同じような系統が増える。街中の女性を見れば、一部の強烈な個性を放つファッションの方がいる一方で、ほとんどがトレンドに踊らされたかのような似たファッションをしている。

2つ目が「環境面での問題」である。ご存知の通り大量生産大量消費は環境に悪い。またファッション産業はトレンドや季節が過ぎれば販売は難しいのでセールしたのちに、廃棄される。近年ではバーバリーの大量処分が発覚し大炎上した。それらの社会的変化を踏まえて、アディダス社はアッパーからソールまで同一素材で作ったサステイナブルスニーカーを販売した。つまり分別せず溶かすだけで、また同じ素材が手に入るのである。この環境に配慮したことを付加価値にしようとする世界的な流れがきている。これが主流になれば面白い。

ちなみに私自身の洋服の買い方は、「良いものを長く使うこと」を心がけている。個人的な願望だが、いつかそれについても実際の商品を掲載しつつ詳しく発信したい。江戸時代などは明らかにこちらの派閥がマジョリティであった。

3つ目が「労働環境の悪化」である。バングラデシュにはファストファッションなどの工場が集積している。そこでは低価格を実現するために、劣悪な労働環境で働かせられている。そこには職人の面影はない。今でこそ改善されたかもしれないが、第二、第三のバングラデシュが生まれる可能性はある。これは注意していく必要がある。

4つ目が「デザイナーズブランドが売れなくなること」である。これから先は絶対的な付加価値をつけたブランド、もしくはSNS等で火がつかない限りファストファッションと比べて圧倒的に高い服は売れないだろう。本来は人件費等を考えれば安いのだが。いくら質の良いものを作ろうが、理解、共感されなければ売れないのだ。日本のファッション業界の失墜に繋がるかもしれない。


3.ファストファッションのこれから

ビジネスの話をしよう

ファッションは                            ユニクロのように「工業製品」として勝負するか、           ハイブランドなどのように「付加価値」で勝負するかの2択である。

ファストファッションは環境、人に配慮しつつ、人々の生活を支え続けて欲しい。最新鋭のファッションはデザイナーズブランドに任せよう。環境を考慮した工業製品として存在し続けるべきだ。それを突き詰めて欲しい。そうすることで世界の洋服の水準をあげ、保って欲しい。

最後に言っておくが、ユニクロ好きです。笑


次回はデザイナーズブランドを中心に、付加価値について記したい。これからの時代は付加価値の付け方が重要になる時代である。


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