わが家の小鳥、キンカチョウ。
ふだんはリビングで放鳥しているので、夜はそれぞれお気に入りの場所に帰る。自分たちの居心地のいい寝床を作るため？　飼い主の用意する小枝や毛糸、小さく切ったティッシュをくわえ、それぞれの寝床に持ち帰る。たまーに汚れたところを拭いたティッシュ、そして、この花粉の時期の鼻を拭きふきしたものまで持っていこうとするのはいただけない。
「その汚いティッシュ返して～」
と声をかけるも、小鳥に
「捨てずにそこに置いておくからでしょ？」
と遠回しに叱られている気分になる。
※
ある日、暇をぶっこいていたダンナが、せっせと何かを作っていた。

「飛ばして遊ぶの？　それとも『こより』？」
と思いながら黙ってみていたら、小鳥達が喜んで持って行った。ティッシュをただ縦に切り裂いているよりも持ち帰りやすいらしい。なので、ダンナが調子にのって、どんどんどんどん作っていた。

それを見ていたら、ワタクシ、ふとあることを思いついた。
「これで占いってできるかな」

コヨリの端に、大吉・吉・中吉・小吉・末吉・もう1回、ハズレなどなど書いて並べてみた。
「次の子がくわえていったものが、今日のワタクシの占い結果ってことにしよう」
すると、やって来た小鳥が持って行ったのは・・・
「末吉！」
よくわからんけど、気分が上がった。
※
さらに次の日、もう1度同じように準備して、そしらぬ顔で小鳥のお告げを待った。
「・・・誰も来てくれないんですけど」
コーヒー1杯飲み終わっても、掃除機をかけ終わっても全く近寄ってこない。仕方ないので、2時間ほど買い物に出かけた後、もう1回みることにした。
「ただいま～。今日の占い結果でた～？」
めっちゃ期待しいたのに、ただの1ミリも動いた形跡なし。
「うそーん。あんなにティッシュ好きだったのに、どういうこと？」
これをワタクシ流に解釈してみた。
「今日は動きなし。嵐の前の静けさともいう」

その後、飼い主の花粉症がひどくなり、いつもよりティッシュの消費が激しくなった。そのため花粉症が落ち着くまで「小鳥のコヨリ占い」の延期が決まる。

ちぇっ。