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「X-MEN2」ネタバレあらすじ感想


0,基本情報

2003年の作品

監督:ブライアン・シンガー

時間:2時間15分


1,予告編


2,あらすじ

ある日瞬間移動の能力を持つミュータントがホワイトハウスを襲撃する事件が発生する。それを知ったプロフェッサーXはジーンとストームに彼の保護を任命する。その頃アメリカのミュータント対策本部では顧問のストライカーを呼び出し、プロフェッサーXの学園を襲撃する計画を立てていた。金属を操るマグニートはプラスチック製の特殊牢に入れられていた。面会に訪れたプロフェッサーX、サイクロップスと、ストライカーが偶然出会い、ストライカーは自分の秘書に彼らを襲撃させ、護衛と二人を拘束する。そしてマグニートにミュータント抹殺の計画を伝える。

引用:映画ウォッチ


3,感想(ネタバレ有)

シリーズ物であるため、単作で見た場合には驚愕の展開や結末などは見られなかったが、前とこれからを考えるとよくできた作品だと感じた。


物語的には最後にジーンが死んでしまうところは前作を1つしか積み上げてないのでさほど悲しかったりだとか衝撃の展開だと思えなかった点を除けば陰謀阻止は普通とは言え映像がすごいので楽しめた。前作から3年しか経っていない本作だが、ミュータントの自己紹介をやった前作を経て、本作ではその力が映像によって大きく表現されている。マグニートが鉄分を利用するシーンやサイクロップスの目からビーム、パイロの炎やナイトクローラーのテレポート、「デッドプール」のコロッセオのような全身金属ミュータントやアイスマン、ミスティークやストームなど、前作からのキャラクターはもちろんのこと本作から登場したキャラクターも自分の力を存分に発揮しており、それがよく映されていた。3年の進化がすごい。


前作「X-MEN」では、社会の風当たりが強いミュータントという種族について、同じミュータントのマグニートことエリックは人間をミュータント化して社会の多数派とし、ミュータントが生きやすい世の中を実現しようと企んだ。対してプロフェッサーXことチャールズ・エグゼビアは人間とミュータントで互いが互いを理解し合うことで平和に共存し、双方にとって生きやすい社会を実現しようと行動していた。前作で中心的に映し出されたのはミュータント側のみであり、その中で過激派vs平和主義という構造を生み出していた。こちらは作品のテーマとなっていた異人種/生物の共存問題を細分化した構造のように思われる。


対して本作の構造はミュータントvs人間とテーマの主たる構造をそのまま見せている。ミュータントvsストライカー(人間)で物語が進む点を筆頭に、ナイトクローラーが普通の人間である護衛と大統領を襲撃した事件や、「恵まれし子らの学園」というミュータント施設を人間である特殊部隊が襲撃する点、ボビーがミュータントと知りそれを嫌悪して警察を呼ぶんだ弟や、ミュータント=危険としか言われない警察に怒りの炎を燃やすパイロ、ストライカーとマグニートでチャールズに抹殺させる対象が異なり、互いが互いを嫌悪していることを示す描写がある点などがそれを感じさせるシーンである。語り手が物語の始まりで言ったとおり、そして前作でマグニートが予期したとおり、ミュータントと人間の戦争が始まったのが本作である。マグニートやストライカーは戦いを選び、チャールズは言論によって風あたりの強い社会に宣戦布告した。ストライカーがミュータントを行使していた点で矛盾に思う者もいるかもしれないが、個人的にはジェイソンもレディ・デスストライクも足止めなどといった道具的な扱いをされている点から、ストライカーは、ミュータントを人間よりも強いがそれを人間を傷つけることでしか活用できない下等な生物と捉えていると解釈したため、納得がいった。


次作でもミュータントは自由への戦いを展開するだろう。ラストには途中までX-MENと行動を共にたマグニートとミスティーク、そして人間のミュータントの捉え方にうんざりしているように見えたパイロはチャールズと別の道を歩んだ。地球上の生物は戦争と言論を行き来し、特に戦争では多くの犠牲を払った、果たしてこの世界では過去の過ちを繰り返さないことはできるのか、それとも過去の過ちが再び起きてしまうのか。今後の展開に注目したい。


画像元:映画チラシサイト

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