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伸びる、伸ばす

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上級生になって考えたりするかも。というメモ
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爪輪の付け替え、角度と輪の調整。

爪を輪につけるとき、微調整をしておくと、使い勝手が変わってきます。初めてお爪を購入した新入生のために、上級生が知っておくと、ちょっとラクをさせて上げられることもあるかも。(2022.01.18 図を追加) (もともとは、反り指の人は色々な苦労がある、という「反り指と爪の話」の記事で書いたものから、分割・加筆しておきます。これは反り指の人も、反り指でない人も、共通な話題になると思うので。) 箏爪 の角度元々の記事に、反り指さんの使いやすい爪として、「クリあり・なしの爪」があ

「努力を誉める」タイプの人が伸ばし悩みをする理由

少し思い出したことがあったので書き留めメモ。 これを読んで、「努力を誉める」タイプの人が伸ばし悩みをする理由が少し分かった気がする。 何を手掛かりにしていくか。そこで変わる部分もあるのかもしれない。と思ったので書いておこ 「楽しい」を、人に求めさせないのも大事なんだよね。 楽器と自分の中にあるものを引き出すことを「楽しい」と思ってもらえたら。 それと、下心のない純粋な興味で、 「すごいね、それどうやってるの」 と尋ねた時に一番大きく垣根が取り払われた感触があった経験から

手の使い方、重心の意識

 ずっと前から、手の使い方、やり方次第で全く違う音になるんだなと思っていたので、それをちょっと書いてみようかも。 ① よく見た形 薬指で手を固定し、親指を動かす。薬指の上に手が乗っている形。  この形だと、始めて最初のひと月くらいは安定するかもしれない。  だけど、これでは「移動しながら弾く」ことができにくいのと、「稼働の関節が本来と全く違う」ので、上手にはならないんですね。  稼働の関節が、親指の付け根になるので、ここパタパタさせてもあんまり大きくていい音にはならない

新品の爪の輪が痛いとき

爪輪が新品でかたいときに、たまにあるのが、「輪の内側が生爪の甘皮当たりに食い込んで痛い」というやつ。 弾くときに一番力がかかるというか、食い込みやすい部分が、実はここなのですが、内側に継ぎ目の段差があると、絃にあてるたびにピンポイントで痛いのでツラい。 (エナメルの輪、柔らかくなると全体で支えられるようになって分散するのですが、新品のカチカチは柔軟性がないのでもろにここに力がかかります) 上の図は、爪輪の調整の記事(後述)にも載せましたが、こういう感じで、初めは輪の継ぎ目の

センスと才能の違い

以前にはわりと「私センスないんでー」と逃げ口上に使われていた、そのセンス、どこから来るのか知りたくないですか。 感性を主にした(と思われている)ゲイジュツ関連では、必須のように言われまた思わされている、このセンスの有無。 センスがなかったら、やっていけない? いいえ。これって生まれつきのものじゃないんです。 ☆ センスってなんだろうざっくりとwikiに頼むと「英語で五感の意味。転じて、美的感覚や感性のこと。才能と似た意味である。」と出してくれましたが。 コトバンクでは、デ

指トレのススメ

箏っていうと優雅だと思われがちです。 「5分~15分とか連続で動かし続ける運動なので、筋力とスタミナがないと死にますよ」というと、だいたい驚かれるんですけど、実際はそうなんです、まじで体力勝負。 なぜトレーニングが必要か初心者さんといっても、色々です。 それまでの部活歴が人によって違うため、基礎パラメータがめちゃくちゃに差がある人たちが集います。部活ではそこの把握がまず必要。 身体能力の差をどう埋めていくかで、個々のスタートダッシュが変わってきます。 伸びがよければ楽しい

音楽の「心技体」

「心技体」の語源以前資料を作ったときに書いた「心技体」ってどこから引いたんだっけと思ってもう一回検索してみると。あらたに語源と思われるものが見つかったので、のっけておきます。 「一番有力なのは明治44年に出版された古木源之助著 『 柔術独習書 』 の中の一節です。「第二章 柔術の目的」で「柔術は如何なるものや」についてこう述べておられます。 第一、身体の発育 第二、勝負術の鍛錬(即ち護身の用) 第三、精神の修養 つまり、 ・身体の発育 ・・・ 「体」 ・勝負術の鍛錬 ・・・

自己肯定感と、初めて触れる知識に対しての反応の差

捕獲メモ。 「初めて触れる知識に対しての反応の差」についての話がTwitterに流れてきたので、捕獲しておきます。 知らないことに触れるのは、不快なことである。ずっと前に、説明してたら「私の知らない言葉使わないでください」ってキレてきた子がいて、思考回路が分からないなと思っていたんですけど、これなのかなー。 この件に関してはこの記事の後半を↓ (20200120、以下記事に追記でリンク追加) 「自分の知らない知識をひけらかす」と思われると、反発につながる感じが、「不快

教えるのが上手い人のやりかた

…というのが、Twitterに流れてきたので、メモ。 「教え方がうまい人は何をしているか?」 (ツイートが消えてしまうかもなので、文字起こししておきます) ① 前提の確認 うまい人は…相手の前提となる知識や経験を確認する、もしくは推し量る。 まだまだな人は…相手の理解度を踏まえないまま、説明に突入してしまう。 ②範囲の提示 うまい人は… これから教えることは何のどこまでについてなのか、範囲を伝える。 まだまだな人は…これから伝えることのゴールが不明なまま、説明を続けてし

質問「される」&「できる」環境作り

部活に行ったときに、よくあったやりとり。 OBなので、練習のお手伝いをしにいってるわけなのですけど、普段行っていないと何をしていいか分からなくて困ります。だから訊くんですね。 私「何かわからないことはありませんか?」 相手「ないです」(しかし練習には難儀している様子) このパターン、とても多かったんです。 この、拒否かな?と思われるお返事、実は2パターンだと気がつきました。 パターンの分析「ないです」、という、とりつく島もないお返事。これ実は、 ①「いま私に手を出して

音楽は理系の学問

…と言うと、大抵驚かれるんですが、元々は音楽は、数学・天文学と並ぶ理系の学問でした。ヨーロッパで。(2019.05.03リンク追加/2019 04 20動画追加) 現代でも、音自体を追求しようとすると、物理の分野になるらしく、文系の私にはさっぱり分からなくなってしまいますw 例えば、倍音とか。音圧とか。言葉の定義や使い方、合ってるのかな?本当はどういうことなんだろう?と思って調べると、数式が登場して、壁の高さにへこたれたり。 平均律とピタゴラス音律とか、基本的なことですら

初心者さんの「視界」

初心者さんに教えるときに、注意しておきたいのが、「自分の見えている範囲が相手とはイコールではない」こと。 楽器でお手本見せて、説明したはずの内容が、うまく入っていっていないようだと思ったら、まずここを疑ってみるのもいいかもしれません。 ★★★ 相手の「視界の範囲」に注意だいたいの初心者さんはみんなそうですが、動作を見せても、どこを見ていいか分からないことが多いです。 視界が狭く、指の動きの一部、たとえば「爪と絃の接点」しか見てないことも。音の出る一点しか見ていないから、音の

教えるとき「何」を「見る」のか

新入生を教えるのが難しい、という理由の一つに、「何をどうやっていいか分からない」というのがありそうだなと。箏の場合だけど少しまとめました(旧ブログの記事より) ★ 修正点の見つけ方。■ 観察の視点。 ①基礎の動き(指)ができてるかどうか?を確認、 ②基本の動きができていれば、その他にうまくいかない要因がある。どこにあるのかを探るために観察する。 ③その子の状態を、自分で再現してみる。(その方が早い) 再現してみると、自分の普段の形と違う点がいくつか理解(実感)できると思

成長曲線 と 二年次の停滞の話

タイプ別 成長曲線二年目以降、個人差がありますが、頑張ってるけど伸び悩む、という期間が多かれ少なかれあると思います。 目次 ・タイプを把握しよう ・成長曲線は、階段状 ・タイプ別の傾向 ・停滞期の突破 ・動作の理解のタイプ ・相手の視界 タイプを把握しようタイプによって成長期が違うことをまず理解しておきましょう。 おおざっぱに分けると2タイプあって、もちろん中庸も存在するけど、わかってると少し気持ち楽かなと。 Aタイプ身体能力がわりと優れている人。 最初から音を出しやす