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【取材記事】「持続可能な医療の未来」へ貢献〜社内外での活動を通して働く人の健康をつくる〜

「すべては、持続可能な医療の未来をつくるために」をビジョンに掲げる株式会社エムステージ
企業の産業保健支援、医療従事者の求職支援、医療機関の経営課題解決の3つの領域で事業を展開しています。
社外向け事業に限らず社内から持続可能な未来を目指す同社の広報・武田友美さんに、事業概要やSDGs活動への思い、今後の展望などをお伺いしました。

お話を伺った方

株式会社エムステージグループ 広報 武田友美(たけだともみ)様
2012年(株)エムステージ入社。医師のキャリアプランナー、事業推進、人事を経て現職。”持続可能な医療の未来をつくる”ために、産業保健・医療人材・医療経営の3つの領域から医療課題の解決に取り組んでいます。

■SDGsとの親和性が高い企業ビジョン

mySDG編集部:貴社の事業概要を教えて下さい。

武田さん:企業向けの産業保健支援、医療人材の求職支援、医療経営がメイン事業です。
グループ全体の従業員は175名(2022年6月現在)ほどです。

mySDG編集部プレスリリースにて、2019年からSDGsゴール達成に向けて活動されていると拝見しました。2019年に何かあったのでしょうか?

武田さん:弊社は、SDGsが世間に浸透する前から「持続可能な医療の未来を作る」というビジョンを掲げています。SDGsは弊社が取り組んできたこととかなり近い位置にあるので、正式に企業として宣言し、取り組もうと決めたのが2019年です。
これまで行ってきたことがベースにあるため、スムーズに入り込むことが出来ました。

■社内での活動から持続可能な未来へ

脱使い捨てカップに向けた取り組み 〜マイボトル・カップ〜
ボトルを選ぶ際は他部署との交流の機会にも

mySDG編集部:そうなんですね。今回のリリースでは、社内でマイボトル・カップを使用することで年間2万4千枚の使い捨てカップ消費を削減されたということでしたが、取り組まれたきっかけがあったのでしょうか?

武田さん:備品を管理している総務から、使い捨てカップの消費が多いのではないかと声が上がりました。
これまでも、自由に組み換えができることで組織が変化しても捨てずに使い続けることができるオフィス家具の採用など、企業の選択や決断において「持続可能な社会の実現」に貢献できるものであることを大切にしてきました。そのため、今回総務から上がってきた声についても、すぐに何ができるかを検討し、対応することが出来ました。

mySDG編集部:そもそもどのような理由で「持続可能」を意識したビジョンを掲げ始めたのでしょうか?

武田さん:弊社は医師のアルバイト専門求人サイトで創業しました。代表が医療のコンサルティング会社に務めていた時に、人手不足の中で過重労働に苦しむ医師や、当直のあるフルタイムの働き方の中でプライベートとの両立に悩む医師の姿を目の当たりにしたことがきっかけでした。非常勤の働き方を導入することで医師の多様な働き方を可能にし、医師が最大限能力を活かせる社会を目指したいと考えたのです。
「持続的なキャリアを提供することで、医療が持続する」という考えの元、現在のビジョンにたどり着きました。

mySDG編集部:そのような経緯があったのですね。多くの企業さまにインタビューをさせていただく中で、今回のマイボトル・カップのようなSDGsゴール達成に向けた取り組みは、なかなか収益になり辛いため正直後回しになってしまうという声をよく聞きます。そういった中で以前から積極的に取り組み続けられる理由が何かあるのでしょうか。

武田さん:そうですよね。こういった取り組みは過程も成果も目に見えず、形になりにくいものが多いので浸透しにくいなと感じています。それでも持続可能な未来に向けて努力していくことが、社会の一員である私たちひとりひとりに求められていると思います。
また、弊社はSDGs17のゴールのうち、「3.すべての人に健康と福祉を」を中心に取り組んでいるので、健康経営に力を入れています。健康経営もなかなか事業や売上にどうつながるのかが見えにくいものです。ですが今、健康経営によって従業員の健康を支援することで、従業員皆さんの健康はもとより、事業の生産性の向上や持続的な成長を成し得る組織づくりが求められているのではないでしょうか。
私たち自身が積極的に健康経営や持続可能な取り組みを推進し、その価値を体現することで、社外へも取り組みを広げていくことができるのかなと思っています。

mySDG編集部:ホームページで拝見したのですが、貴社は福利厚生が豊かだなと思いました。そのあたりもSDGsを意識されているのでしょうか?

ユニークな福利厚生
社員の健康を考えた就業環境

武田さん:そうですね。先ほど申し上げた通り、SDGsの中でも「すべての人に健康と福祉を」というゴールを一番意識しているので、社員が健康を維持できる制度を積極的に導入しています。
例えば「健康増進達成手当」では、有給を60%消化、規定残業時間を超えない、タバコを吸わないなどの6項目を達成すると3万円を支給しています。

mySDG編集部:素敵ですね。社内での取り組みを始める前と後で何か変化はありましたか?

武田さん:一番は、経営層と社員の信頼関係が向上したことです。福利厚生という形で、会社が社員の健康を一番に考えているということが伝わりやすくなっていると思います。社内アンケートでも「会社が社員の健康を大切にしてくれていると感じる」などの声が上がっています。
その取り組みを社外に発信することで、結果として採用活動への良い影響もあります。

mySDG編集部:貴社では、取締役会でSDGs推進会議を実施していると拝見しましたが、どのようなことを話されているのでしょうか?

武田さん:取り組みに関してやりっぱなしになってしまっている部分があったので、活動体制を整え、次の課題を設定していく場として今年から取り組み始めました。ビジョンがSDGsと親和性が高いこともあり、経営層ではSDGsに関心が高いのですが、社員一人ひとりへの展開はまだまだだと感じています。会社として社員全員で取り組むため、話し合いを重ねていきます。

mySDG編集部:最後に、今後の展望や目標を教えていただけますか?

武田さん:今回のリリースで発信しました使い捨てカップ削減に向けた取り組みのように、大きなものだけではなく、目の前のできることから取り組んでいきます。
弊社の事業分野である、働く人の健康や労働環境の問題についても、事業を通してだけでなく、先ほどの福利厚生などの社内での取り組みも通して、課題解決に近づけるよう推進していきます。
そして自社の取り組みの発信をくり返すことで、SDGsに対して社会全体で動いていくための一助になれたらと思います。

mySDG編集部:貴重なお話をありがとうございました。


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