他殺に見せかけた自殺

これで短編小説書こうと構想しててどうにも書けなかった供養塔のような記事です。

書こうと思った目的は、「"自殺に見せかけた他殺"はありふれてるから、逆をやってみたい」というのがありました。
意義としては、「犯人は誰?」というところで、"犯人は被害者自身"とシンプルに裏をかけるところが挙げられます。

ですが、問題点は多々あります。
・自殺をトリックによって他殺体に見せかけるのはいいとして、トリックを施すことのできる犯人が事件後既に死亡している
→普通の事件ではほぼ起こり得ない大きな壁です。
これにより、トリックを仕掛けられるのは基本的には事件前に限られます。事件後に時差でトリックを起動させるとしても、その大元は事件前にやっておかないといけないわけですし。
これに関しては、共犯を作れば問題ないのですが、計画を知り、自殺を見過ごした上でトリックを施すなんてのは、もはや共犯とは呼ばず、もう一人の犯人と表すべきでしょう。
そもそも私は共犯を作るのが好きではないので(共犯のいる作品は普通に読みます。あくまで書く際の問題です)、ここの事情とは絶望的に相性が悪いかもしれません。

・わざわざそんなことをする動機が無い
→初期構想では保険金目当てとかでいいかなーと適当に考えていたのですが、自殺では保険金は出ない、とは一概には言えないらしいですね。これだけで動機の大半が封殺されます。
また、特定の誰かに殺人の容疑を着せるため、とかも考えてはみましたが、そこまでの恨みがあるならその対象に直接危害を加える方がどう考えても早く、あっさりボツになりました。
となると、自分が死ぬことが前提となるような動機なんて何ぞや?という疑問が大きくなっていきます。

他にも何かあった気がしますが、特に大きなこの2点のハードルを越えられそうになく、お蔵入りとなった次第です。
"他殺に見せかけた自殺"は別に全く無い系統ではなく、確かホームズで登場していますし名探偵コナンでもこれの類似のようなのはあったはずです(作品名は伏せます)。
ただ、珍しいジャンルなのは確かで、こういうのを決められると作者としてかっこいいなと思います。