見出し画像

自分のやりたいを見つける・言葉にする vol.1【講座レポート】

「自分らしい仕事を見つけ、つくること」を応援するMyWork わたしの仕事プロジェクトの第2回目となる講座を2023年11月17日にスペースソラで行いました。今回から2度にわたって取り組む講座のテーマは、「自分のやりたいを見つける・言葉にする」です。

オリエンテーションで起業への思いを共有した仲間と、1週間ぶりに顔を合わせた受講生のみなさん。開講前から和やかに会話を交わし、うち解けた雰囲気の中で受講がスタートしました。

講師を務めるのは、プロジェクトの企画運営を担う合同会社cocoto代表の佐々木 よしみさんです。会場参加6名、リモート参加5名の受講生が実際にペンを持ち、やりたいことを見つけるための3つのワークに取り組みました。

【ワーク1. やりたいことを整理する】

ーー自分らしいMyWorkをみつけようーー

最初のワークでは、自分がやりたいことを思いつくままに、できるだけたくさん書き出していきました。

佐々木さん:事業を始めると、「これもできそう、あれもできそう」と考えが広がって、本来やりたかったことが見えにくくなることがあります。まずは軸を持つために、やりたいことに優先順位をつけていきましょう。

受講生のみなさんは真剣にペンを走らせていました。これまで意識しなかった部分に気づく人や過去を振り返って書き出す人など、書き出す量もかかる時間も書き方も、人によってそれぞれです。

佐々木さん:とにかく書き出してみる作業は、やることを絞り、やらないことを決めていくことができる有効な手段です。
そして、自分の中に強く響くワードをチェックしておくと、「ミッション・ビジョン・バリュー」を考える時に役立ちます。「こういう社会を作りたい」とか、「こういう人を幸せにしたい」など、事業の軸を決める時の材料になりますよ。

【ワーク2. 自分の強みと弱みを知る】

ーー介護も子育ても、人生は最大の経験値でありスキルですーー

続いてのワークでも自分を見つめ、「強み」と「弱み」を言葉にします。「事業に活かせるかどうかに関わらず、自分が持っているものをどんどん書いてください」と佐々木さん。強みとなるのは、スキルや長所、経験、事業につながる人脈や資産など。弱みは苦手なものや短所などです。

佐々木さん:長所を考える時、資格だけがスキルというわけではありません。たとえば「子どもを4人育てている」と聞くと「すごくスキルが高い!」と感じますよね。子育て・介護やこれまで培った人脈など、他の人に真似できない経験値もスキルなんです。地域のサークルに関わっていたり、経営者さんや会社と繋がりがあったり、「誰とでもすぐ友達になれる」というのも長所ですよね。

受講生からは「そうか!」と納得の声が上がり、受講生同士で長所について笑顔で語り合う楽しそうな声も聞こえてきました。書き出す作業を続けながら、佐々木さんから一人ひとりの強みについてのフィードバックを受けました。

MyWorkへの応募書類をすべて丁寧に読み込んだという佐々木さん。すごいと感じるスキルや経験、楽しみにしている事業がたくさんあるといいます。佐々木さんが受講生のみなさんにお伝えした一人ひとりの強みやスキルをご紹介します。

ーーー

・美容院や飲食店で人と接し言葉を交わしてきた経験は、プロフェッショナルな接客スキル。今働いている飲食店で、お客さんと仲良くなって反応を聞いたり、自分が作りたい料理について考えたり、仕入れ先などを教えてもらえる可能性があるのは恵まれた環境だと思います。

・いろいろな病棟で患者さんやご家族と長年接してきた経験は、他の人には真似できないものですよね。医療者で薬膳を取り入れるというのも新しい!

・事務経験があるのは強みですね。起業すると、会計や経理などパソコンに長時間向かう業務も増えてくるので。また整理収納アドバイザーとヘルパー、グルメ記事制作などお持ちのスキルを活かして、整理収納アドバイザーと介護、飲食などを組み合わせるとおもしろい事業展開ができそうです。

・「味の記憶があり、それを再現できる」のはすごい!「これ美味しかったよ」と周りの人とのコミュニケーションにつながっていくのも素敵ですね。

・結婚式場でのお仕事経験が「ターゲットとなる人に向けて、手に取りやすいものは?」と考える時に活きてきそうですね。ラッピングや商品の見せ方はもちろん、いろいろな場面でデザインの仕方、色使いなど、職場で見てきたものが役立つと思います。

・ポジティブに切り替えられるスキルはうらやましい!保育士の経験やイベント託児などで、人脈がかなりあると思うので活かしてもらいたいです。

・アレルギー対応のお菓子でも、鳥取に専門店がないグルテンフリー・カゼインフリーのお菓子に目を向けているところは強み。「鳥取初」と打ち出すことができますね。

・絵本の販売は、他の分野との相性がいいですね。人脈を活かして、絵本と飲食、絵本と病院など、他の分野の人と一緒に何かしてみるのもいいかもしれません。

・「悩みを相談し、ホッとできるパン教室」は、これまでにないコンセプトなのが強みです。今はパン教室を想定されていますが、お話を聞いているともっとパーソナルな料理教室も考えられますね。どんどんアイデアを書き出してみてください。
ーーー

一方「弱み」に関しては、視点を転換することで「強み」としてとらえ直すことができると佐々木さんは言います。

佐々木さん:子育てをしていると、1日に稼働できる時間が限られていることが「弱み」だと感じることもあるかもしれません。でも子どもが寝た後の時間などの短時間を積み上げると、5〜6時間働けると考えることもできます。すると生活に合わせて自由に稼働できるという「強み」と捉えることができますよ。

【ワーク3. やりたいこと・やるべきこと・できることに分ける】

ーーミッション・ビジョン・バリューを見出すためにーー

最後のワークでは、今まで書き出したものを見返して、「やりたいこと・やるべきこと・できること」の3つのグループに分けていきました。このワークが、今後ミッション・ビジョン・バリューに思いを落とし込むための重要な作業になると佐々木さんは言います。

佐々木さん:「やりたいことはこれだな」「社会的に求められていてやるべきことだけど、やりたいこととはちょっと違うな」「スキルや経験はあるけど、やるべきことでもやりたいことでもないな」など、小分けして頭の中を整理していきましょう。

佐々木さんご自身も起業する際、ミッション・ビジョン・バリューを決定するのはとても大変な作業だったそうです。

佐々木さん:メンターと壁打ちをしながら時間をかけて練り上げました。考えが煮詰まってシーンとしてしまったり、場所を変えたり......しんどい作業なのですが、そこを超えたらすっと腑に落ちるものがあったんです。それが決まると「依頼があっても、やれることだけどお受けできないな」「これはできるけれど、やりたくないな」など、軸をもってブレることなく事業を進めることができました。

ワーク1、2はお互いに声を掛け合い楽しみながら進めましたが、ワーク3の作業では会話が止み、自分の作業に集中して取り組む雰囲気に包まれました。事業の軸につながる重要な作業へと、強く意識が向いていることがうかがえました。

そのスキルをもっと知りたい!

ーー自分でも気づいていないところにも強みがあるーー

佐々木さん:みなさんに記入してもらったMyWorkへの応募資料を読んでいると「このスキルはすごく強い、もっと知りたい」と思うことがたくさんありました。自分でも気づいていないところにも強みはあるんですよね。

受講生からは、「自分では目を向けていない部分に光を当ててもらって、確かにそうだなと納得しました」、「自分の人生を褒めてもらっているようでうれしい」という明るい声が聞かれました。

また「今まで、起業のモデルとなる存在が身近にいなかったのですが、佐々木さんが体現している全てのことが参考になります」と話す受講生も。初めての起業を考える受講生にとってメンターはとても重要な存在で、事業を進める鍵になることが伝わってきました。

佐々木さん:すぐに書き出せた人も、絞り出すように書いた人も、自分のペースで書き出してもらってOKです。家に帰って追記したり、見返してみてください。これをもとに、事業に沿ったミッション、ビジョン、バリューを考え、メンタリングで落とし込んでいきましょう!

今回の講座では、自分の頭の中を整理することにしっかりと時間を費やしました。今後は、書き出したものをもとに事業の軸を立てることを目指します。次回11月22日開催の講座では、AOI TYO Holdings株式会社 代表取締役 グループCEO 中江 康人さんをゲスト講師にお迎えし「自分のやりたいを見つける・言葉にする」ことをさらに深め、事業の軸について考えていきます。

***
受講生と対話しながら、次々と柔軟にアイデアを提供する佐々木さん。「こうしたら」と指示をするのではなく、「そうですね」と共感したり、「こんなやりかたもありますよ」と提案したりと話が展開していきます。テンポの良い語り口に、受講生のみなさんも自分の計画やアイデアをどんどんと表明し意見を交換する、あっという間の2時間でした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?