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駆け抜けてきたからこそ気づいた「ホッとする手作り雑貨を届けたい」思い【修了生インタビュー】

「そこにあったら生活が潤うような雑貨を作って販売したい」と話す齋江(さいごう)さん。「MyWorkわたしの仕事プロジェクト」に参加する前は、子育てが一段落し、仕事を辞めて親御さんの介護をする中で、自分の時間や今後を考えていたそうです。もしかすると、同じような思いを抱えている方は多いのではないでしょうか。

「手作りの雑貨を販売できたらいいな……」と何となく思っていた齋江さんが「MyWorkわたしの仕事プロジェクト」の受講をきっかけに、モヤモヤしていた自分の今後やMyWorkのことを見つめ直すことができ、進む方向が定まったようです。
「何となく」をしっかり自分のモノにされた齋江さんの体験は、同じようなモヤモヤを抱えている方の参考になるのではないでしょうか。齋江さんのMyWorkや今後の目標を語っていただきました。

何となく見たYouTube動画から始まったものづくり

__齋江さんのMyWorkを教えてください

裁縫や編み物など手作りの物を道の駅などで売りたいです。ないと困るものではないけれど、あったら生活が潤うような雑貨を作りたいですね。と言っても「売りたい」が目的ではなくて。これまでは、作ると溜まっていくし、自己満足で終わっていました。それを見た娘や夫が「売ってみたら?」と言ってくれたんです。

(自分で使うものとして制作した、毛糸で編んだモチーフバッグ)

MyWorkという大それたものというより、子育てを終えて一段落して、自分の時間をどう使おうかと思ったときに、出会ったのが手芸だったんですよね。それをこれからの生業にしていくのかなと感じるようになって。

今まで一生懸命子育てや仕事を頑張ってきたから、これからはちょっと緩く生きていきたい。「頑張らなくても大丈夫だよ」と、私と同じような境遇の人を応援していきたいんです。人って頑張れば頑張るほど深みにはまってしまうこともあるから、手に取るとふっと我に返ることができるような雑貨があるといいなと思っています。それがMyWorkの軸になっていったらいいなと感じていますね。

__裁縫をはじめたのはいつからでしょうか?

仕事を辞めて、2、3年前からです。保育士だったのでYouTubeを見て、保育園の教材を作っていました。その流れで、YouTubeでDIYや編み物の動画や写真を見ていて「これ、かわいい。私でもできるんじゃない?」と思ってやってみると、うまく作れるようになったという感じです。

作品としては、YouTubeにキャラクターのカバンを編む動画があって、孫にあげたらかわいいなと思って作ってみたのが最初です。2か月かかったんですけど、喜んでもらえました。今もミニカー入れに使ってくれています。

__手作業は日常的だったんですね

そうですね、でも実は不器用なんです。本当は不器用なんだけどやりたいんです。
最近、気付いたんですけど、たぶん「作ること」が好きなんでしょうね。お菓子作り、編み物、手芸、刺繍、味噌などの保存食作りとか、マイブームがその時々で変わるんです。梅干しとか、デラウェアが出たら干しブドウを作らないととか……食材の旬の季節がくるとソワソワしてしまいますね。

今は編み物がマイブーム。飼い猫が邪魔しないのが編み物でした。布切れやミシンを使うと猫が邪魔しに来るし、針を使うと危ないから。編み物は途中で止められて、また続けられるから隙間時間にできるんです。

__編み物を始めて2、3年で「売る」までに上達するんですか!?

時間はいっぱいありますからね。今度マルシェに出すこのがま口です。(実物をカメラの前に)

これを編むのに3日間もかかっているんです。お金をいただくからにはちゃんと作らないといけないので、時間がかかります。「時給30円くらい?」まだ全然極められてないですね。

__ものづくりの時間は楽しいですか?

できることじゃなくて、できないことに挑戦するので……。今回、携帯ホルダーを作っているんですけど進まないんですよ。まず携帯ホルダーの概念がないから調べることから始まって、1週間かかったんですよ!

そうやってできないことに挑戦して、出来上がったら「私、天才!」「やったー!」って嬉しくなるんです。完成したものを見せて「売ってる商品みたい!」って言われたいんです。

透明な壁を超えさせてくれた「MyWorkわたしの仕事プロジェクト」

__ここからは「MyWork わたしの仕事プロジェクト」についてお聞きします。まず、応募した経緯を教えてください

SNSを見ていたら「MyWork わたしの仕事プロジェクト」のことが出てきて、「自分のやりたいことを仕事にしてみませんか?」のキャッチコピーに惹かれました。

__プロジェクトに参加するときは、どんな思いがありましたか?

仕事を辞めて、子育ても終わって自分の時間ができると「これからどう生きていこうか?」「元気にあと20年生きていくためには何かやりたいけど、何ができる?何もないじゃん」と悩むこともありました。好きなものを作ったり、そのとき目についたものをやってみたりして、達成感を得ながら2、3年が過ぎたけど……。今考えると、空っぽになっていたんでしょうね。

そんな時に、このプロジェクトを知って、形にできるならやってみようと思いました。本当に何となく道が開けたって感じで、タイミングが良かったのかなと思います。他の受講生からは「引き寄せたんだよ」と言われました。参加することで、「50代の私だからこそできること」を見つけることができる、いいきっかけになると思ったんです。

__では、参加してみてどうでしたか?

若い人たちが仕事をしながら夢を叶えようとしていて、熱量がすごかったです。鳥取の未来は明るいなと感じました。専門家のサポートでちゃんと形にできるシステムも「すごい」と思いました。

私自身に当てはめると、何をしたらいいのか自分じゃわからなかったけど、いろんな角度や視野で勉強させていただいて、「自分はこうなんだ。だから、こうしていきたいんだ」が明確になりました。これからどうするのかは私次第だけど、頑張らずに緩くいきたいと気づくことができた、とてもいい経験でした。

商工会や銀行に行けば力になってくれるというのは、講座を通して初めて知りました。このプロジェクトを知らず、起業や事業をしたい人には「透明な壁」があるんじゃないかな。透明な壁を超えさせてくれたMyWorkのプロジェクトはすごいと思いました。

__課題だと感じたことはありましたか?

いっぱいあるけど、大きな課題は「私、社会貢献できるのかな?」ということ。MyWorkの講座で、起業するにあたって「自分ができること、社会の役に立つことをアピールして社会貢献するんだよ」と学びました。社会的意義や「どうしたら人のためになるのか?」ということを課題として意識し、これからも考えていかなければいけないなと思っています。

頑張らず緩やかに、縁を繋げながら雑貨を提供したい。

__プロジェクトが終わった今、自分が変わったと感じることは何ですか?

「自分は緩やかに生きていきたい、今の期間はもう少し休んでいてもいいんだ」ということに気付いたことです。

情熱的に駆け抜けてきた時期を超えて、新しい生き方への準備期間の今、MyWorkがハマった感じ。MyWorkはすぐには形にならないかもしれないけど、10年くらいかければモノになるのかなと思っています。今はMyWorkのプロジェクトを通じて基礎力を養っています。
「人間としての底力」をつける講座に出会えたことが、私を変えてくれたと感じています。

__それでは、齋江さんの今後の目標や夢を教えてください

「自分が作ったもので、人がゆとりを感じてくれたらいいな」と思っています。
「マルシェがあるから参加してみない?」「道の駅に置いてみたら?」と声をかけてもらえるタイミングでできることをしてみる。売れたらもちろん嬉しいですけど、頑張りすぎることなく緩やかに進んでいきたいですね。今回のMyWork参加でタイミングが合ったように、これからも縁を繋げていきたいと思います。

__齋江さんはお話しがお好きなようですし、いろいろなことができるので、教える側もいいんじゃないかとふと思ったんですけど?

地域のコミュニティに入れるくらいの年齢になって、タイミングに恵まれたら手芸などの作り方を教えることもできたらいいですね。その頃には人に教えられるくらいになっているかもしれないし。夢は「公民館で教室を開く」にします!

齋江さんとのzoomでのインタビューは、終始、和やかな雰囲気でした。作品をカメラに見せてくださったり、講師の方たちを有名人に例えたり、飼い猫が乱入したり……。楽しいハプニングもありつつ、元気に答えてくださる齋江さんがずっと笑顔でお話しされてて、こちらも笑顔に。この雰囲気が、齋江さんの手作り雑貨や「ホッとする」というテーマそのものなんだなと納得しました。

ご自身では「自己肯定感が低い」とおっしゃいますが、ご自身を上手に鼓舞したり褒めたりされていて、毎日を「緩く」「楽しく」過ごしている様子が伝わってきました。そんな齋江さんの「手にするとホッとできる」雑貨を多くの人に手にとっていただきたいです。


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