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今まで緊張していたと、くつろいで初めて知った

私は、母子家庭の一人っ子育ちで、アダルトチルドレン(以下ACと略)のロストワンの性格が強い、自分の感情を認識するのが不得意なアレキシサイミア傾向を持つ者である。セルフケアの一環で今日もメモを残しておく。

アレキシサイミア傾向のこれまでの話は以下から読めます。


さて最近、今までずっと緊張しながら生きていて、それがつらかったことに気づいた。

おかしな話である。10代の頃には、つらいつらいと言いすぎて、友人から「みんな大変なんだから、もうそういうことを言うのはやめろ」という趣旨のことを言われた。それからは、他者に向かって漠然とした「つらさ」を表明するのをなるべく控えて、ツイッターとかに吐き出していた。

そもそも何故、そんなものを友人に表明していたのか。それは、唯一の家族である母が、私の「つらさ」の直接の原因であり、そんな人が「つらさ」を受け止めてくれるわけがなかったからであろう(なお私の親族は遅くとも曽祖父母の代からDV・モラハラをしていたらしい、連鎖だ)。

そうしてツイッター以外では愚痴らないようにしている間に、十年余りが過ぎた去年、変化が起きた。自分に心理的・物理的虐待を行ってきた親に服従することを、ようやく止めるに至ったのである。

母のことはもっと早く見捨てるべきだった。彼女は、例えば私の自殺企図が小学校にバレて呼び出されたときでさえ「『どんな教育してるんですか』って担任の先生に怒られちゃった」と、当の私を暗に責めているとも取れる発言をするほど、精神的に未熟な親である(親の責任にする学校側もどうかしてる)。
余談だが、一般にACは、傷ついた当時の自分=インナーチャイルドに優しい言葉をかけることで癒されていくというが、私は未だにこのときの自分にだけは何の言葉をかけていいか全くわからず、逆にかけてほしい言葉も思い付かず、昔の自分に邂逅するたびに沈黙して立ち尽くしてしまう。

さて、このように去年から母殺し?(概念)に取り組み始めた私は、様々な人との関わりの中で、人間には感情や希望があるということを、知識として学んだ。そして実践しようと試みてきた。例えば、感情の記録をつけてきたなかで初めて「怒り」のタグを追加したことがあった。このように、自分の中で溜まり続けてきた感情を落ち着いてラベリング処理できたのは、大きな進歩だと思う。

そんななか、人からの紹介で、色々な生き方をしながら時々同じ文化を共有している人たちが集まる場所に行ってきた(カルトではない)。初対面ばかりで大丈夫だろうかといつものように不安が高まっていたが、行ってみると、そこは誰かを排除したりしない場所で、人々が互いに関心を持ち合っていて、あたたかい人ばかりだった。

私はACのロストワン(いない子)タイプで、「自己主張したり存在感を出したりすると嫌な目に遭う」という刷り込みがあるために、人に注目されると思わず隠れたくなってしまう。集まりに行くと、大人しいことを理由に注目されないよう、敢えて社交的に振る舞ったり、その余裕がなければ近くの人とだけ喋ったりして、今まで無理してやりすごしてきた。

しかしこの日は、私が少し頑張って話しているときに、遠くの席の人までもが興味津々という顔でそれを聞いてくれて、自由に会話に加わってくれて、しかも誰もこちらを非難・否定しなかったので、私は味わったことのない安心感を得ることができた。むしろ私が他の人に失礼なことをしているんじゃないか?と心配になりながらも、結構リラックスして喋らせてもらったと思う。こんな場所が可能なのかと半ば驚いた。

帰宅後、私は人生で初めて暖かい部屋に通された心持ちになって(アレキシサイミア傾向があるので感情が遅れて表出する)、今までいた場所ではやっぱり心が寒かったんだなと思い、癒された気持ちになって涙が出た。

気づき①
三十年近く漠然と抱え続け、ときには見ないフリをしてきた「つらい」という感情は、決して嘘ではなく、表明してはいけないものでもなかった。むしろ、寒い場所で凍死せず生存するためには、まずその寒いという感覚・違和感に気づかなければならない。違和感が認識できなければ、暖を取ろうという発想も生まれない。ネガティブな感情は生きるために必要なシグナルだったのだろうと、ようやく理解した。

気づき②
世の中には暖かい場所が存在することを初めて知った。しかも安全な場所である。私は自室に一人でいてもくつろぐことが難しいのだが、その集まりに行ったときは、警戒や緊張が必要ないということが直感的にわかった。そう思わせる言語・非言語のコミュニケーションが発生していたのだ。

暖かさに包まれて初めて「今までは寒かったんだ」と知るように、晴れて初めて「今までは雨だったんだ」と知るように、心からくつろげて初めて「今までの人生ずっと緊張していたんだ」とわかった。
早めにわかってよかった…(汗)

私もそんな安全で暖かい部屋を誰かに提供できるようになりたいが、今は自分のことで手一杯である。


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