愛がなんだ【感想文】

「愛がなんだってんだ、そんな誰かが定めた何かで私を縛らないで」

あらすじ

 主人公のテルコ(テルちゃん)は、恋愛になるとそれだけにしか考えられなくなる。5ヶ月前に知り合った田中守(マモ)から呼び出されると、たとえ深夜でも会いに行く。
仕事中であろうが、友人から呆れられようが、とにかく恋愛が最優先。そんなテルコとは裏腹に、守はテルコに対して全く恋愛感情を抱いておらず、ただの都合の良い女でしかなかったーー。

感想

 アラサーの男女の恋愛模様が描かれていた映画だな、と思いました。恋人でもない、でも友達でもないフワフワとした関係性がなんとももどかしい…。
そうは言っても、20代後半になり傷付くような恋愛も怖くてできない。そんな心情が読み取れました。 田中守を演じる成田凌氏の女性をダメにするような付き合い方や、岸井ゆきの氏の恋愛に溺れる様子は結構刺さるものがありました。
「ああ、共感するなぁ」と思いながらも「これはいやだな」と考えさせられるシーンも多かったです。
自分の世代に近いこともあり、キラキラした理想の恋愛ではなく、より現実的な人間臭い物語にただただ平伏するのみでした。

与太話

 とことん会話が空虚に聞こえました。
この『愛がなんだ』という作品は、聞こえてくる会話は、うわべや建前、そして欺瞞にあふれてる印象です。 どの会話もその場しのぎで、踏み込むことを恐れている。そうしてやり過ごしてズルズルと行ってしまっているなぁと思いました。もうほんとに、なんだそれ?みたいな会話だらけ。笑
そこで、本当に読み取るべきは「表情」「雰囲気」「態度」そして「会話の間」だと観ていて思いました。

 そして悲しいのは、今の20代後半世代の恋愛はこうした「傷付きたくない」関係性を作りがち。と言われているような気がしたことです。
もちろん、なかなか他人に対して核心に切り込んでいくことなどできません。ですけど、それを怖がっていれば、いつまで経っても当たり障りのない関係のままです。 恋愛や人間関係は傷付き、傷つけ合うことで学んでいきます。(残夏もそう言ってました)

 ですので、前も何かの投稿で言いましたが人間関係の「免疫」をつけること。そして、熱心に関わり続けることが大事なのではないのかなぁ、と再認識させられる作品でした。 




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