遠月亜美菜@80’s洋楽派

本業は個人事業主です。主に80年代・音楽などについて語ります。 主観だらけの記事ですが…

遠月亜美菜@80’s洋楽派

本業は個人事業主です。主に80年代・音楽などについて語ります。 主観だらけの記事ですがよろしくお願いいたします!

最近の記事

そんなにMORはつまらないのか?

MORとは? WikipediaではMORはイージーリスニングとして括られていて、その代表格がポール・モーリアだそう。でもイージーリスニングとするのはちょっと違和感が。元々MORはMiddle of the Roadの略称で、ブリタニカ国際大百科事典の「気楽に聴ける音楽を総称していう。これといった音楽のジャンルにこだわらず,クラシックをポピュラーにアレンジしたものやイージー・リスニング,ムード・ミュージック,軽いロックやボーカルなどを含む。バック・ミュージックとして気にな

    • あのアーティストのファースト・アルバムを聴いてみよう

      「ファースト・アルバムにはそのアーティストの本質が詰まっている」 …なんていう言葉をどこかで見かけたことがありますが、それはともかく。人気アーティストなのに実はファースト・アルバムはコケた、なんていう例は普通にあるわけで。そういうアーティストのファーストってどんなのだったのかというのは興味湧きますよね。 ということで今回は私が聴いた中ではありますが、いくつかご紹介。 ジャパン「果てしなき反抗」 ジャパンのブレイクは結局、本格的には最後のアルバムとなった81年の5枚目「錻

      • 大人のロックとしての「産業ロック」

        産業ロックで何が悪いか! タイトルは阿部寛さん主演ドラマ「結婚できない男」の各話タイトルのオマージュです。 とまあそんなことはどうでもよくて。「産業ロック」というとセルアウトした(売れ線)ロックというイメージで悪くしか語られないのですが、逆にいえばよく出来たキャッチーなロックなわけで、安心してその質の高さを味わえる音楽として愛聴しています。楽曲だって完成度が高い方が良いに決まっているし、演奏だって上手い方がいいじゃないですか。ヘタウマは確かに個性的で新鮮かもしれませんが、毎

        • ブルース・スプリングスティーン「ボーン・イン・ザ・USA」:売れたアルバム検証シリーズ⑤

          過去シリーズ記事はこちら。→ マドンナ、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース、フットルース、ティアーズ・フォー・フィアーズ 大スターによる大ヒット・アルバム 1984年の時点でブルース・スプリングスティーンは既にアメリカン・ロックを代表する存在でした。75年のサード「明日なき暴走」で時代の寵児となり、その後はマネジャー絡みでの裁判で新作が出せず、ようやく78年になって登場した「闇に吠える街」はセンセーショナルと言えるほどの注目を集め、80年の2枚組「ザ・リヴァー」は一旦「タイズ

        そんなにMORはつまらないのか?

          新社会人に贈る曲5選!

          さあ、新年度ですね。今春から社会人になった皆さん、おめでとうございます! ということで、今回は新社会人になった皆さんへ捧げる曲をご紹介。 ヴァン・ヘイレン「ジャンプ」 まずはど定番から。元気でますよね。 エイジア「GO」 売れなかった3枚目のアルバムより。いい曲です。 ブライアン・アダムス「イントゥ・ザ・ファイア」 ブライアンの力作アルバムのタイトル曲。 ビリー・ジョエル「オンリー・ヒューマン」 ビリーのヒット曲「マイ・ライフ」にも通じる人生讃歌。 PiL

          新社会人に贈る曲5選!

          「なぜ売れる?」と思ってしまった80年代の曲

          前回の「これは売れる!と思った80年代の曲」の続編です。 前回は一聴して「これは売れる!」と思った曲でしたが、今回は逆で、「なぜ売れる?」と何度聴いても思ってしまった曲のご紹介。 基本的に私は「売れるには理由がある」と考える方なので、たとえ個人的に好きではなくても「売れるだろうな」とは思うことも多いのですが、今回ご紹介するのは好き嫌い抜きにしてもわからん、と感じたものです。 グレゴリー・アボット 「シェイク・ユー・ダウン」 1986年、突如としてヒットしたグレゴリー・アボ

          「なぜ売れる?」と思ってしまった80年代の曲

          「これは売れる!」と思った80年代の曲

          予想はチャートマニアの楽しみ 私がヒットチャートを追っていたのは84年くらいからですが、「これは売れる!」「これはダメだろー」と予想するのが楽しみのひとつでした。今回はそんなリアルタイム時に「これは絶対売れる!」と思って予想が的中したものをいくつかご紹介します。 ボストン「アマンダ」 1986年に発売された曲。ボストンのことを当時知らず、8年ぶりの新作ということが盛んに言われておりました。で、FMラジオでこれを初めて聴いたとき、「あ、こりゃ絶対売れる」と確信。ツボを押さ

          「これは売れる!」と思った80年代の曲

          カジャグーグーを聞き直せ!

          ニュー・ロマンティック終末期の登場 その昔、後にヴィサージを結成するスティーヴ・ストレンジを中心としたムーヴメントがありまして。これがニュー・ロマンティック。これといった特定の音楽性というよりファッション的なムーヴメントであるが故にすぐに終息したわけですが、80年代派としてはウルトラヴォックス、アダム&ジ・アンツ、デュラン・デュラン、スパンダー・バレエ、カルチャー・クラブなどワクワクするようなアーティストが登場してきたこの時代はなんとも思い入れがあります。 そんなニュー・ロ

          カジャグーグーを聞き直せ!

          正直、クィーンの人気ってどうだったのか?

          (注)今回の記事は超がつく私見です。 ひょっとすると日本ではビートルズの次に人気があるんじゃないかというクィーン。もちろん他国でも人気の高いバンドではあるんですが、80年代の一部を体験した身からすると少し違和感があるんです。 ということで、個人的な経験を少し語りつつ、現在の人気の源を探ってみようかと思います。 1984年「ザ・ワークス」以前と評価 私がクィーンをリアルタイムで知ったのは、1984年。アルバムでいうと「ザ・ワークス」の頃でした。この頃のクィーンはというと、日

          正直、クィーンの人気ってどうだったのか?

          シンプル・マインズ「ドント・ユー?」をめぐる話

          シンプル・マインズ初の全米1位ナンバー 1985年の映画「ブレックファスト・クラブ」の主題歌となった「Don't You?」。シンプル・マインズにとっては待望のアメリカでのヒット・シングルになり、全米1位・年間チャート16位を記録。それまでの彼らは82年のアルバム"New Gold Dream”、84年の"Sparkle in the Rain"でイギリスを制覇したものの、アメリカでは両アルバムは60位台、シングルに至ってはそれまで一度もチャートインしていなかったわけで、彼

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          80年代のヒット曲の意外なオリジナルを聴こう

          音楽の趣味を広げるのに有用な手段の一つがカバー曲。好きなアーティストのルーツが知られたりもします。今回はバナナラマの「ヴィーナス」(ショッキング・ブルー)などの有名曲ではないものをいくつかチョイスしてみました。 If You Don't Know Me by Now 「二人の絆」の邦題で知られるシンプリー・レッドによる89年の大ヒットカバー(英2位・米1位)。ミックのソウルフルな歌声が沁みます。 オリジナルはフィリー・ソウルのハロルド・メルヴィン&ザ・ブルー・ノーツ。7

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          G.I.オレンジ完全ディスコグラフィー

          「好き」・「嫌い」を書くことと誹謗中傷は違う 今、あるnoteの記事を読んで腹立ってます。G.I.オレンジに関する記事だったんですが、彼らについては確かに日本でしか売れなかったという事実はあります。また父親の出資で日本のレコード会社の契約を取り付けたというのもある程度事実らしいです(が、商売に聡いレコード会社がコネだけでレコード出すわけもない)。しかし、それをもって彼らをディスるのは違うんじゃないですかね?この記事を書いた人はG.I.オレンジに限らず、他アーティストを小馬鹿

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          やはりビートルズは凄かった(ソロ作品から分かること)

          メンバー全員が全米1位を持つ 今回もビートルズ関連ネタですが。最近各メンバーのソロ作もいろいろ聴いていて思ったことを。何がやっぱり凄かったって記事タイトル通りで、メンバーがソロでも全員全米1位を記録しているんですよね。こんなバンド見たことない。まずデータから。 John Lennon シングル:1974 Whatever Gets You Thru the Night / 1980 (Just Like) Starting Over アルバム:1971 Imagine /

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          ティアーズ・フォー・フィアーズ「シャウト」:売れたアルバム検証シリーズ④

          久々に売れたアルバム検証シリーズ、マドンナ、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース、フットルースに続く第四弾は、ティアーズ・フォー・フィアーズの「シャウト」を取り上げます。 「シャウト」以前のTFF アルバム「シャウト」(原題"Songs from the Big Chair")は彼らの2枚目のアルバムですが、それまでの彼らの知名度というと、イギリスのチャートを追っていた人たちくらいしか知らなかったんじゃないかという程度だったはず。デビュー・アルバム「チェンジ」(原題"The H

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          ビートルズ時代のジョージ・ハリスンの曲

          去年のビートルズの最後の新曲"Now and Then"が出てから、ここのところビートルズを聴き直しています。その後の赤盤・青盤の新装版にはジョージ・ハリスンの曲が多く追加されましたが、ここでジョージのビートルズ時代の曲を振り返ってみましょう。 シンガーとしてのジョージ ジョージの自作曲を振り返る前に、ジョージの歌唱曲を確認してみましょう。レノン=マッカートニーという圧倒的なソングライターがいたためにジョージの自作曲はなかなか世に出なかった(本人の寡作もあって)のですが、

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          今さらながらビートルズ赤盤・青盤の選曲の謎を解く

          ご無沙汰でございます。ということで昨年末に登場したビートルズの新装赤盤・青盤について語りたいと思います。まず、今回オリジナルと比べて収録曲が圧倒的に増えています。そこでそれらがなぜ収録されたのかを考えてみたいと思います。 赤盤追加曲編 I Saw Her Standing There 初期のポール作の名曲であり、ビートルズ初期の定番レパートリー。ポールのソロライヴでも度々演奏されることの多い代表曲ですから、これは順当。 Twist And Shout I saw her

          今さらながらビートルズ赤盤・青盤の選曲の謎を解く