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1971年にビートルズがアルバムを出していたら

「GET BACK」〜「ABBEY ROAD」で解散回避できていたら


ビートルズ・ファンならもうディズニー・チャンネルの「GET BACK」を観たことでしょう(私は観てないw)。予告編などを観てみると、従前からイメージしていたほど悪い関係性には見えないんですよね。実際、Get Backセッションでの会話を翻訳・解説した労作、藤本国彦氏の「ゲット・バック・ネイキッド」を読むと、かなりヤバヤバな会話もある一方で、そんなにジョンやジョージも嫌がってたわけじゃないじゃんとも思える会話も多々あります。彼らの解散要因は複雑で積み重ねによるものではありますが、一番バンド存続にやる気のあったポールが実質的な解散宣言をしてしまったことを思うと、実はその後も続いていった可能性もあったのになあと思ったわけです。

(ちなみにこの本を読むと、ヨーコに対する風当たりが強いのはジョージとリンダで、ポールはむしろヨーコをそこまで嫌っている感じがないのが興味深い)

「LET IT BE」から1971年までのビートルズ


というわけで、1970年5月の「LET IT BE」が最後の作品となった彼らですが、もし彼らが存続し、翌71年にアルバムを出していたら、どんな作品になっていたのだろうということで、想像してみる(Imagine)ことにしました。69年以降に発売されたソロ作も含めちゃえ、ということでまずは彼らが71年までにどんな作品を残したかを確認(シングルはアルバムからのカット曲を除く)。

●ジョン→アルバム「Two Virgins」「Life with The Lions」「Wedding Album」「Live Peace in Tronto」「John Lennon/Plastic Ono Band」「Imagine」、シングル「Give Peace a Chance」「Cold Turkey」「Instant Karma」「God Save Us」「Power to The People」「Happy X'mas」
●ポール→アルバム「McCartney」「Ram」「Wings Wild Life」、シングル「Another Day」
●ジョージ→アルバム「Wonderwall Music」「Electric Sound」「All Things Must Pass」「The Concert for Bangla Desh」、シングル「Bangla Desh」
●リンゴ→アルバム「Sentimental Journey」「Beaucoups of Blues」、シングル「It Don't Come Easy」

いやあ、やはり彼らすごいわ。解散直後でもこれだけヒット作がある。今回はこのうち、ジョンの最初のアルバム4作は除外(さすがにジョンのファンでも最初の3作まで聴いている人は少ないだろうし、私も聴いていない)、ジョージの最初のアルバム2作も除外(同じ理由)します。惜しむらくはリンゴがさらなる大ヒットを飛ばしたのは73年で、そこまではカバーできなかったこと。それでも「It Don't Come Easy」のヒットがあるし、彼のビートルズ時代の担当はアルバムに1曲なんで、アルバム「Ringo」まで入らなくて今回の企画にはかえって良かったのかも。

アルバムを作るにあたってのルール

基本ビートルズ時代に則った形にしたいのですが、収録曲数は初期が英オリジナル盤で14曲、後半はバラバラなんでどうしようかと考えましたが、もうここは彼らが創作意欲バリバリということで14曲に設定。
14曲の割り振りは、リンゴは前述の通り1曲として、ジョージが2曲というのはどうかと。71年時点で一番のヒットを飛ばしていたのはジョージですし、ここは「Revolver」に合わせて3曲選ぶことに。となるとジョンとポールは半分ずつ5曲で。後期はポールの曲の比率が多くなったとはいえ、ジョンとポールが確執を乗り越えたということであえて半々でいきましょう。
曲の並びですが、極力ジョンあるいはポールの曲が連続しないように配慮。

さあ選曲だ!

選曲にあたっては、完全に私の好みで。そこでどうしても入れることを検討したい非ビートルズ曲を。それはジョージ作でジャッキー・ロマックスに提供された「Sour Milk Sea」、ポール作でバッドフィンガーに提供された「Come And Get It」、メアリー・ホプキンに提供された「Goodbye」。これらは「ビートルズとして録音された」と仮定して選曲候補とします。

ジョン候補曲→Give Peace a Chance / Cold Turkey / Instant Karma / Mother / God / Love / Jealous Guy /  Crippled Inside / Oo My Love / Oh Yoko / Happy X'mas …

いや、既に5曲超えてますがな。え?「Working Class Hero」に「Imagine」がない?ええ、あまり好きじゃないんですあの曲。

ポール候補曲→Teddy Boy / Junk / Maybe I'm Amazed / Man We Was Lonely / Another Day / Too Many People / Dear Boy / Uncle Albert - Admiral Halsey / The Back Seat of My Car / Some People Never Know / Tomorrow / Come And Get It / Goodbye…

5曲なんて絶対無理じゃん、これじゃあ。「Teddy Boy」「Junk」「The Back Seat of My Car」はGet Backセッションでも演奏されているので入れたいんだけど。

ジョージ候補曲→I'd Had You Anytime / My Sweet Lord / What Is Life / If Not for You / Ballad of Sir Frankie Crisp / All Things Must Pass / Bangla Desh / Sour Milk Sea

ジョージもなあ。なにしろ「All Things Must Pass」だからなぁ。名曲だらけ。「If Not for You」はボブ・ディランがゲスト参加、のイメージで入れたかったんだけど(ボブ・ヴァージョンは「New Morning」に収録)。

リンゴ候補曲→Beaucoups of Blues / It Don't Come Easy

リンゴはスタンダードアルバムとカントリーアルバムだから、まあシングルのこの辺りで良いかと思うんですが、さすがに1曲に絞るにあたって「It Don't Come Easy」を落とすわけにはいかないか。

…というか、無理。なのでホワイト・アルバムに倣って2枚組にします。ジョージ・マーティンには怒られそうですが、しょうがない。ホワイトアルバムは全30曲ですが、極端に短い曲やおふざけもあるので、24曲にし、ジョージはあえて6曲・リンゴ2曲でジョンとポールそれぞれ8曲ずつにします。

結果

Side A
1. Give Peace a Chance - Mother (Medley)
2. My Sweet Lord
3. Uncle Albert - Admiral Halsey
4. Oo My Love
5. Ballad of Sir. Frankie Crisp 
6. Maybe I'm Amazed

Side B
7. It Don't Come Easy
8. Dear Boy
9. Jealous Guy
10. Another Day
11. If Not for You (featuring Bob Dylan)
12. God

Side C
13. Too Many People
14. Crippled Inside
15. All Things Must Pass
16. Junk
17. Instant Karma
18. Bangla Desh 

Side D
19. What Is Life
20. Tomorrow
21. Cold Turkey (featuring Eric Clapton)
22. Beaucoups of Blues
23. Happy X'mas
24. The Back Seat of My Car - Give Peace a Chance (Reprise)

結局「Come And Get It」や「Sour Milk Sea」は入れませんでしたがどうですか?

「Give Peace a Chance」の無理矢理感はお許しくださいw ただジョンのベスト盤「Shaved Fish」のイメージもあって「Give Peace a Chance」はメドレーがいいと思っちゃうんですよ。

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