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精神科を転院して、ただいま減薬中。

こんにちは、のり子です。

今回は近況報告と備忘録も兼ねて書いていきたいと思います。

私は今、20年近く通院した精神科病院から別のクリニックに転院して、減薬中です。約10年前から診断されてきた「統合失調症」ではないと現在の主治医に言われているためです。

一体何故そうなってしまったのか。私が一番聞きたいけれど、少し分析してみます。

以前通っていた病院Aは、元々亡き母が通院、入院していたところでした。母は「統合失調症」でした。おそらく、その診断に間違いはないと今も思います。

母がその病院Aにつながったのは私が小学生の頃でした。明らかな被害妄想があり、すぐ入院することになりました。しばらくして退院し、あんなに他人に攻撃的だった母がすっかり人のいい人間になったように見えて驚いたのを覚えています。これで母に怯えなくてすむ、「お母さん」として一緒に生活ができると思いました。

私は幼稚園の頃からたびたび不登園、不登校を繰り返し、小学校6年生の夏休み明けからまったく学校に通えず家に引きこもるようになりました。中学に上がっても一時期は通いましたが、約2年間不登校、ひきこもりとして日々を過ごしました。

中学卒業から1年後、周囲の薦めで通信制高校に入学しましたが、体調が優れないことが多く、病院Aに通院することになります。ここから時間は飛びますが約10年後、最初についた病名とはまったく違うものが自分についていたと知りました。母と同じ「統合失調症」でした。

びっくりして当時の主治医に訊ねてみると、「のり子さんは統合失調症の薬が効いているのでこの診断になりました」という答えが返ってきました。確かにこの頃、私は様々なストレスがかかりうつ状態もひどく、処方された薬が効いたのは明らかです。

元主治医は数年後に亡くなるのですが、この頃から昔のような診察時の頭の冴えや切れが失われたように思います。病気だったようなので仕方のないことですが、私にとって母を救ってくれたヒーローに変わりはありませんでした。疑問は感じつつも診断名を受け入れていた自分もいました。

その後主治医は亡くなり、別の担当医に切り替わりました。それが前の主治医です。その前主治医(私も子どもの頃から知っている人でした)は、私が統合失調症と診断された経緯はカルテの記載以外、何も知らなかったと思います。この頃母も、同じ前主治医にお世話になっていましたが、帰らぬ人となりました。母は何度も別の病院と精神科病院に入退院を繰り返し、持病に良くないとされる薬を止めることも多く、だんだん精神的にも崩れていきました。私はその頃もひきこもり状態にあり、母のこともあり全く余裕がありませんでした。

私は、自立するために就労継続支援B型の作業所に通い始めましたが、しばらくして、母が亡くなりました。私はひきこもりから脱したものの、処方される薬の量は変わらず、作業所のスタッフにも統合失調症を持つ利用者として扱われていました。障害年金の申請も挑戦し、失敗に終わりましたが、その際の診断書にも病名ははっきりと書かれていました。

統合失調症と診断されてきたのに自分の症状では障害年金も通らないという事実はなかなかショックでしたし(申請にはお金も、労力も、時間も、とてもかかります)、診断書の内容も、見るたび落ち込みました。

その頃から自分の症状と病名に違和感を感じつつも、5分から10分程度の世間話程度の診察に、同じ薬を処方され続けていました。おそらく病院の経営方針の変化も背景にあったと思います。

ステップアップのため、私は別の就労継続支援B型の作業所に移りました。そこのスタッフが私の病名や、飲んでいる薬、障害年金が通らなかったことなどに疑問を持ってくれ、生活相談員を交えて転院の手続きを手伝ってくれました。本当に感謝しても感謝しきれません。

子どもの頃から、母がお世話になった時期を含めると、病院Aとの付き合いは25年以上続きました。そこを離れるのに勇気は入りましたが、恋人に別れ話を持ちかけるときのような心境で(幸か不幸か、そのようなことは自分からしたことはあまりありませんが)、転院の話を前主治医にぶつけました。「え? どうしたの?」というような反応をされつつも、なんとか紹介状を書いてもらい、自分で見つけたクリニックに転院することができました。

転院先のクリニックの現主治医は、病院Aの私の元主治医たちに疑問を持っているようです。どうしてこのようなことになってしまったのか。明らかに統合失調症ではないのに約10年間その薬を処方され続けられた。過剰診療ではないか、とか、欧米なら訴訟ものだという言葉も聞きました。

ただ、私の実感としては、そういったケースは多々あるような気がしています。私はたまたま気がついてくれた作業所のスタッフとの出会いがありましたが、診断名や処方薬に疑問を持たず(持つことも許されない、という表現が正しいかもしれません)適切な医療を受けられない人は果たしてどれくらいいるのでしょう。

もちろん、誠実に患者に接している医者がほとんどだと思いますし、病院Aの主治医の二人が不誠実な対応をしていたとも思いません。ただ、お互い人間ですから、歯車が噛み合わないことはあると思います。心の中で思っていても言えないことはたくさんあって、それがどんどん膨らむと今回のようなケースを生み出すのかと感じています。

今、私は約10年間飲み続けた薬を減薬している最中です。量はさほど多くはないとのことですが、依存性の高いもののせいなのか、減らすたびに体に何らかの不調があり、辛抱の時期です。幸い精神的には影響がないのと、将来的なことを考えると、A型の作業所に移行するか一般就労をしたいと思っているので、今が無理のない範囲で体に負荷のかけられる時期です。

もし、これを読んでくださっていて、主治医やその診断、処方薬に違和感を持つ方がいらっしゃれば、直接ぶつけてみてもいいと私は思います。それでだめなら、転院を考えてもいいでしょうし、もし信頼できる誰かがいたら、相談することで道が開けるかもしれません。

先のことはわかりませんが、少しずつ目標に向かって歩んでいきたいなと感じる今日この頃です。

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