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お土産話

11月の初めのことだ。

家内が福岡に出張に行った。この流行病はやりやまいの前の頃は、私がほぼ出張三昧で、家内はプロジェクトなどには入っておらず、出張などすることがなかった。

2020年の1月に、私自身のために購入したキャリーケースは、私は、一度も使わず、既に家内の私物と化している。

諸行無常とは、このことかと、ヒシヒシと感じる。


心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

コジは、多分、定年まで新幹線や飛行機に乗るような出張は、もう、無いだろうね。


だな。


そんな家内は、出張に行くと、空き時間にどこかに立ち寄るのである。まるで、昭和、平成前期の出張オヤジのごとく。

今回は、食べ物だった。

一双という、有名な、とんこつラーメンらしい


家族LINEに入れてきた。

家内が、ラーメンオタクの長男に聞く。

ここ、有名?

長男がこたえる。

まあまあ


さぞかし美味しいラーメンだったのだろう。羨ましい気もするが、実は、仕事であちこち行くのは、もう、コリゴリで。旅行ならまだしも、家の周りでダイエットウォーキングでもしている方が性に合うようになってきたのである。



そんなこんなを家内に語ろうとして後ろを振り向くと、空のソファーが、静かに笑っていた。

そうだ。いるわけがない。福岡に出張なのだから。


シーンとした部屋の空気に、なんだか、心が追いつかなかった。

いや、寂しくなんかは、ないのだ。



昼間のやりとりからすると、家内は、元気なようである。

家内が元気だと、我が家は、明るくて平和である。





だから。





これで、いいのだ。




■追記■
面ゆるって、なに?
それは、これ。西尾さんはじめ、みんな、面白い作品をあげていて。
私は、だいたい土曜日の夜に、そこそこの過去記事をあげています。
もしも、お時間があれば、みんなの作品、読んで頂けたら幸いです。





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