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福缶

家内は、限定品が好きである。特に正月の福袋は、あちこちのものを欲しがる。

毎年、マックの福袋とミスドの福袋、無印良品の福缶は、手に入れようとする。

だが、ミスドの福袋以外は抽選なので、当たらねば手に入らない。年末は、その申し込みの季節で。家内の指示通り、私もエントリーするのが常である。


今まで当たったことなんて皆無だったが、今年は、家内のエントリーしたものが当たった。

中身は、エントリーした金額とまったく同額の商品券と、全国各地の干支の縁起物である。

この縁起物は、何が当たるかは分からない。

果たして、我が家に来た縁起物は、これだ。

京都の小判辰こばんたつ


心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

こいつは春から縁起が良いわい。



今年、私は、年男だ。いい年になりそうだ。


そんなこんなを語らおうとしてソファーを振り向くと、家内が足を指さして笑いつつ、言った。

コジくん、本厄だから、今年は、川崎大師に行こうか。


はいっ。


夜ごとのミッションが発動された。


マッサージをすると、家内は上機嫌になる。

家内が上機嫌だと、我が家は平和である。





だから。





これで、いいのだ。

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