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女神

ある薬品会社のトイレタリー商品の宣伝で、サボったリングという言葉をお聞きになったことはあるだろうか。

次女が我が家から独立したのは、今年の1月の末のことだった。

トイレの神様に奉仕して美貌を磨くという下心もあり、結婚してからずっと私の仕事だったトイレ掃除を、大学四年間、次女H(注1)が、ずっとしてくれていたのだが。家を出るとき、それを長女に引き継いだのだ。

だが。

長女Mも綺麗好きなのだが、サボり出すと、長い。なかなか正常のルーチンには戻らない。


心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

でもさ。トイレの神様に愛されるように、長女Mが美貌を手に入れるように、しばらくは、見守ろうぜ。



ということで、しばらく様子見をしていたが、1ヶ月、2か月……。


とうとう、ヤツは、現れたのだっ!

こいつが、サボったリングだっ!


家族LINEで、この写真を添付しつつ緊急事態を知らせた。

トイレの神様がピンチです!


それでもしばらく放置されていたので、私がトイレ掃除を週末にやり始めたが。このお盆から、自然に、長女Mがやるようになってきた。


長女Mは、元来、綺麗好きである。誰もが嫌がる風呂掃除、洗面所掃除は、排水溝の中まで掃除する。我が家では、私のほかには、長女Mのみが、やってくれる。手袋をしながらであるが。

ちなみに、私は、素手でやる。

シンクの排水溝も、然り。


そして長女Mは、洗面所で髪を解いたり、ドライヤーをかけると必ず、掃除機で抜けた髪を吸い尽くす。真夜中でも、出勤前の急いでいるときでも。これを欠かしたことが無い。


だから、長女Mが、トイレの神様に見放されることなど、本来、あり得ないのである。

長女Mがトイレの神様に更に愛され、美貌を手に入れるようにとベランダで月に祈り終わり、部屋に入ってソファーをふと見やると、家内が笑って、脚を指さした。

家内は、夏のプロジェクトに参加するため、長期間家を空けていたが。ようやく、戻ってきた。



家内は、マッサージをすると、上機嫌になる。


家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて、平和である。




だから。




これで、いいのだ。



(注1)長男はJ、長女はM、次女はHということで、今後は、時々、そう表現することにする。



■追記■
面ゆるって、なに?
それは、これ。西尾さんはじめ、みんな、面白い作品をあげていて。
私は、だいたい土曜日の夜に、そこそこの過去記事をあげています。
もしも、お時間があれば、みんなの作品、読んで頂けたら幸いです。





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