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26通り

蜘蛛を見かけた。苦手だ。黒い点のような小さい蜘蛛ならまだしも白と黒のまだら模様が目に入る。

キモい。

昔も今も虫は苦手だ。虫を見つけるだけでほんともうテンションが下がってしまう。見た目も無理だが、動きが予測できないところがつらい。飛ぶヤツなんかはもうどうにもならない、降参だ。

昆虫図鑑なんてのも厳しい。小学生の頃、ジャポニカ学習帳には花や虫の写真が表紙に添えてあり、あれも苦手だった。

虫と仲良くなろうとかは考えられないしこっちが歩み寄ってもふらふらと周りを飛ぶだけだろう。向こうから歩み寄るにしても、物理的に近づかれても困る。こっちは図鑑や学習帳の写真ですら無理なのだ。歩み寄るっていうのはやっぱり対話だと思う。でも対話されても困る。

よくアニメで妖精や未知の生き物が喋りかけてくることがある。あんなのは想定外すぎて「うわわわわわわああああ」と逃げてしまう。もし部屋で、でてきたら一旦外に飛び出してスマホで「妖精 捕まえかた」「未知の生物 どこに連絡」などと調べるだろう。

現実は物語よりも多くの展開を逃すし、物語ほど紡ぐものはない。皆はいろいろ呟いたり日記を書いたりする。良くも悪くも皆一様に日常だが味わいのある生活を送っている。単純だが味わい深い。

通行人AやらBはいるがA'でもB'でもない26種類以上、無数である。そんな無数の通行人が出会い、まだまだまだ無数の単純で唯一無二が増えていく。

そごいね。そごいねはすごいねのもっと上、これ以上書くと宇宙までいくから、あとはそごい人たちで考えてくれ。

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