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隣人X/パリュスあや子

地球外から難民として宇宙人がやってくる。受け入れるか受け入れないかで、世間が揺れ動く中、3人の女性にスポットが当てられてる。3人の女性が交わったり交わらなかったりして、マクロからミクロ、ミクロからマクロへ話が進んでいく。

この本にでてくる男が、だいたいクズで、僕はこの男たちみたいに暴力はふるわないにしても、そっけない返事や冷たい態度で誰かを傷つけていることは、受け止めなきゃいけない。
3人の女性は、内面では強く強く生きたいと思うけれども、どうしても弱さがでてしまう。でもその弱さってのは決して悪いことではないし、もちろん男だから女だからというわけでもない。そこには人間の脆さが表現されていて、人間誰しも人と関わらないと生きていけないと強く感じた。

世間は地球外からの難民に対してあらゆる差別的な考えを抱き、非難する。その考えは弱くて脆いが、僕もその世間の一部になってしまうだろう。

3人の女性のうちの1人がベトナム人の留学生で、その子の心情や心境が、今まで僕が留学生に対して、おこなってきた接し方を全否定されたような気がした。所詮、ぼくも留学生を勝手に弱者だと認識して、接していたのだ。話をしてもまずわからないだろう、ということが前提で、こちらで話の内容も、気持ちも捻じ曲げて解釈し、自分に都合のいいように、会話を進める。留学生は皆、ニコニコしているのを僕は見て満足していたが、その心の中まで見れていなった。

やっぱりコミニケーションにおいて、相手の立場に立つのを、本当の意味でわからないといけないなと深く感じた。

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