見出し画像

工事現場に通ってオフィスを作ってきた話

約1ヶ月半ほど、ハイクラス転職サイトを運営する会社のオフィス作りをお手伝いしてきました。

現在PMとして、未経験な建設業界でBtoBプロダクトを作っているのですが、

比較的ITリテラシーが低く、古くから根付く商習慣を守る30-40代のユーザーが大半で、また業界における職種は30種以上、さらに構造も複雑と、頭を抱えることばかりでした。

何より、それだけ複雑な業界のため、話を聴く方の立場や知識、経験によって話す内容が大きく変わってしまい、もはや一次情報を得るしかないと思い、工事現場に通い始めました。

画像1

※現場初日の様子


工事現場で働きながら、通常業務もこなす

あくまで主業務があるため、日中の業務に支障をきたさないよう、毎朝8-10時、深夜22時からの作業や土日祝日に出勤していました。

また、現場の様子が伝わるよう、そこで聞いた話や、毎日同じ場所から写真を撮影し、コメントと共に社内に現場の様子を共有をしていました。

画像2


現場で行っていた作業

大工さんのように木の板を1mm単位で切れるわけでも、塗装屋さんのように2m x 5mの部屋一体を一切のムラなく塗れるわけでもないため(職人さんたちすごい。。)、本当に地味な作業ばかりです。

例えば、オフィス一体に広がるカーペットを全て取り除いたり

画像3

画像4

フロアに敷き詰めたタイルとタイルの隙間が一律ではないということで、そのムラをなくす作業をしたり(写真ではわからないほど細かいチェックが入ります...)、

画像5

他にもこのような作業をひたすら行っていました。
・終日広大なフロアにベタつく糊を取り続ける
・夜の22:00から6時間ほど、1階から6階を往復して荷物運びをする
・ガラスや床、壁、柱についた塗装の除去といったクリーニング作業

画像6


現場で起こった数々のトラブル

当然すべてが順調にいくはずなく、トラブルも多発します。

・朝礼10分前に、同僚から「させん、、!! 30分遅刻するんで、代わりに職人さんたちに指示出しておいてください!」と言われる
・木の加工をお願いしていた業者さんに間違った木板を渡してしまい、深夜に伊豆まで車で木板を取り戻しにいく
・タイルを敷き詰める際、細かな傷がついたため、ムラをなくすために全ての壁の塗装し直しが発生(期間中に累計6回塗り直し、遅い時は朝5時まで作業いただく...


現場でしか体験できない心踊る瞬間

朝も早く、時には深夜まで働き、さらに数々のトラブルに見舞われるため、心身ともにこれはくるな、、と感じていたのですが、心温まる出来事もありました。

例えば、深夜2時の出来事。

同じ現場に入っていた、名前も知らない初対面のおじさんから急に話しかけられ、ビクッとしたのですが、開口一番「お兄ちゃん…なに飲む?」とお声がけいただき、飲み物を奢ってもらいました。

また、深夜4時まで働いた時は「終わったーーーー!!!やっと終わりましたねっ!」と同僚と掛け合い、貸し駐車場に腰掛けながらお疲れ様を言い合ったこともあります。

画像7


振り返ってみて感じること

当初、毎朝工事現場に行ってくると話した時は「本当にやるの...??」「今後入社する方のハードルを高めてしまう」といった声もありました。

また、久しぶりにあった友人からは「ある程度の大学も出て、部長の立場で何で毎日工事現場で地味な作業ばかりやってるの?笑」「なぜそんなキャリア選択をしたのか謎」と言われることもしばしば...。

ただ、振り返ると、心からやってよかったなと言えます

1ヶ月半で体験できたエピソードはどれも多彩で、とても色濃く、
ユーザーインタビューに現れないであろう違和感を拾い集められたり、
働き手の感情の機微をイメージできたりと、書ききれないほど収穫がありました。

また、深夜まで会食を行った次の日も、朝から山手線が混む前の時間に電車に乗りこみ、現場で働いた後、定時には出社して多くの会議をこなす日々は、今ではとても感慨深いです。

今はただ、培った経験を作成中のサービスに反映し、早くみんなで冥利に尽きる瞬間を迎えたいと思っています。

完成したオフィスの一部を紹介

最後に、完成したオフィスや、その過程の写真をお見せしたいと思います。素敵すぎて、ここで働きたいと思いました。。

画像8

画像9

画像10

画像11


着々と完成に近づいていく、現場の変化

画像12

画像13

画像14

画像15

画像16

画像17


深夜22時から朝4時まで行った荷物運びをしたときの様子

画像18

画像19

画像20

画像21

画像22


PS
このように、オフィスのデザインから実際に作るところまでできる会社にいますので、必要な方がいましたら、気軽にご相談くださーい!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?