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営業からデータアナリスト?になった人が考える戦略の作り方と分析のあり方

久々の投稿です(特に待っていた方がいるわけでもないですが。。)
事業戦略や課題解決においてデータ分析は銀の弾丸になることはありません。しかし、使い方によってはデータ分析は有効なツールとして使うことも可能です。今回はインハウスのデータ分析を一ツールとして捉えることと、またそのツールを正しく利用するためには何が必要なのかと言うことを中心に自分の考えをまとめていきたいと思います。それではスタート。

そもそも戦略とは?

戦略を辞書で調べると以下のような意味になっています。

戦略
 ー戦争・闘争のはかりごと。戦争の総合的な準備・計画・運用の方策。

戦略もまた目標を達成するための手段であり、その戦略をミクロにしたものが戦術であり、戦術が有効なのかを確認する手段として、分析が存在しています。

つまり、戦略とは目標ありきのものであるはずなので、目標がなければ、戦略は定まらず、戦略が定まらないと言うことは戦術以下も定まりません。
また、仮に目標なき戦略と戦術を実行したとしても、成果つまり目標が何かがわからないため、振り返りができないものになっていると考えられます。
そして、目標なき戦略と戦術は仮に振り返ったとしても、何を改善すれば良いのかがわからないため、改善点を探すために使う分析というツールは役に立つものにはなりません。※1

事業における戦略とは?

自分は事業的な文脈での目標は「売上」ではなく、プロダクトを通してユーザーに対して何を与えることができ、その結果プロダクトからユーザーが何を得て、それが社会にどのような影響を及ぼし、社会をどう変えていくのかという目標が「ビジョン」になると考えています。
そして、ビジョンを達成するためにプロダクトをどう作り、どう知ってもらい、どう作ってもらうのかということを考えるのが戦略になるわけです。※2
また、戦略を評価する際に戦略から得られた成果を売上として考え、売上ベースで振り返るケースがほとんどかと思われます。しかし、売上はプロダクトを通して発信されたビジョンに共感した人たちから得られたFBであり、売上という指標だけでは戦略の振り返りはおろか、施策の効果計測も本来はできるものではないと考えられます。

戦略はどうあるべきで、どうやって成果を測るのか?

先述の通り、戦略はビジョンありきで考えられるべきものであり、それをプロダクトを通してどう伝播していくのかを考えていくことが戦略になると考えています。
プロダクトを通してビジョンを伝える際にはそれを使って得られる利点(benefit)を如何にシンプルに伝えることができるかがポイントになります。プロダクトから得られる恩恵をシンプルに伝えることができればできるほど、ユーザーの利用や体験もシンプルになり、恩恵をより享受するために、必要な場合はお金を払って機能を強化して利用することも検討しやすくなります。
また、売上という指標だけでは測れないと書きましたが、売上も社会から得られるFBという点において、当然重要な指標になります。
ただし、売上だけで見ると意味がないものになってしまうため、売上と利点(ユーザー側から見てお金を払ってでも享受したかった機能)をそれぞれ測ることで初めて振り返りができるものになってくると考えています。
また、この恩恵の計測に関しては売上から遠くなってしまうため、振り返りの際にも軽視されがちになっているケースが見受けられます。※3
なので、KGI/KPIツリーの中に恩恵の指標はぶら下がりがちですが、事業視点での振り返り(売上)とユーザー視点での振り返り(利点)という形にしてしまい、売上と利点は切り分けて計測するべきであると自分は考えています。

なので、戦略のあるべき姿とその成果は以下のように考えることがポイントであると考えています。

戦略
・ビジョンと利点をユーザーに理解してもらうために考えるもの
成果の計測方法
・売上と利点を紐づけて振り返るのではなく、独立した2軸で振り返る

成果を測り、改善をするために使えるツールが分析

戦略に基づき実行した施策の成果を測り、改善するためにどうすればよいのかを検討しなければならないのですが、ここで改善を検討するために利用するツールが分析になります。長い前フリを経てようやく分析が出てきました。。
基本的に分析は施策の改善を検討するためのツールになるため、最初の図にもあったように事業のフローの中で出てくるのは下流になります。
分析をする際に気をつけるべきことですが、分析は売上に直接寄与するアプローチを行うよりも、機能面に対して改善を試みるアプローチの方が筋が良いです。
売上は先ほどから書いているように利点に対して支払われる対価であって、売上の源泉はプロダクトから得られる利点だからです。
プロダクトから得られる利点に対して、ユーザーのリアクションは得られるので、計測できる指標も利点に対する評価ができるものが本来の設計としては正しいはずです。※3

また、計測や分析する際にも本来は施策から得られた効果と副作用があるはずなので、その点を踏まえて計測できる環境をデータを含めて整備しなければならないのですが、今回はその話は割愛します。

まとめ

今回のこの記事で伝えたかったポイントは大きく以下の5つになります。

・プロダクトを通してビジョンをどう伝えるかを考えるのが事業戦略
・事業戦略の成果は売上(profit)だけで測ることはできない

・売上(profit)と利点(benefit)を独立した指標として計測すべき
・分析は売上(profit)に直接寄与する銀の弾丸ではない
分析というツールは利点(benefit)に対してのアプローチの方が使いやすい

分析だけだと意味がないし、戦略だけでも意味がない、ビジョンがあって初めて色々成り立つものになっているということと、それらを振り返るための指標の設計も考えないと意味がないものになっているということが何となく伝わっていれば幸いです。※4

また気が向いたら、改めて整理して同じような記事を書いていきます。

では、またの機会に。。

※1:何となくやってみた分析から知見を得て、何かをやってみるというケースも当然あるが、それで上手く行ったという話はあまり聞かない
※2:ここで使われるのがみんな大好きなフレームワーク(5F、4P、3C...etc)になのだが、そもそもこれもビジョンがないと意味がない
※3:ちなみに外部モニターを使ってアンケートデータなどをちゃんと計測すれば、行動と売上の因果もある程度ちゃんとわかる、はず
※4:最後の方は整理しきれてなくて、息切れ気味になっているので、成果の計測周りを含めて再度整理して、ちゃんと描き切りたいお気持ち。。


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