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freeeのプラン変更(値上げ)に対する所感・今後の方針

概要

freee会計の料金プラン変更が発表されました。
2024年の7月から適用となります。

プランリニューアルとなっていますが、基本的には値上げとなります。

おおむね、同じ機能を使うための費用は、以下のようになります。
(旧)ミニマムプラン1,980円→(新)ひとり法人プラン2,980円
(旧)ベーシックプラン3,980円→(新)スタータープラン5,480円

基本的に、1,000円~1,500円の値上げ、という認識で良いかと思います。

なお、ひとり法人プランには1名分の給与計算機能が付いてくるということなので、一人会社の方の場合、人事労務freeeが不要になり、安くなる場合もあるかとおもいます。

その他細かい変更もあるので、大きな変更が必要になる場合もありますが、そういった方は限定的かと予想しています。

私の所感

Twitter(X)でも、特に税理士の方からいろいろな意見が上がっています。freeeをメインで使っている事務所として、所感や方針について考えておきたいなと思っています。

特にMFとの比較や乗り換え、という部分が主な論点です。

MFの場合は2,980円~4,980円で、会計+労務が使えます。
人事労務freeeも併用することを前提とすると、今まではMFとfreeeの料金については、「だいたい同じ」というところでしたが、今回の値上げで、「freeeの方がやや高い」という位置づけになったかなと思います。

私の認識や今後の予想についてです。
freeeは、いままでが安かったところ、今回の値上げで料金の適正化に動いたという感覚です。
freee、MFの両社は、どちらも大幅な赤字決算が続いていました。スタートアップでは、初期は無料~ある程度安い価格でユーザー・シェアを獲得していくのがセオリーですので、この点は問題ないです。

そのような中で、MFは先行して値上げに動き、直近の決算も大幅な赤字縮小となっています。
(マネーフォワードの2023年11月期有価証券報告書)
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3994/yuho_pdf/S100SYEO/00.pdf

freeeもこれに追随していく、といった動きと言えます。
すなわち、市場のステージが次の段階に移行してきたということだと思います。

今後の方針

先に結論ですが、私は今後の値上げでfreeeからMFに乗り換えることは考えていません。お客様にも、引き続きfreeeメインで勧めていきたいと思っています。

理由の1点目は、MFもfreeeも、今の価格はあくまで一時的であると考えられる事です。
今回の値上げは、市場のステージが移行してきたというのもありますが、日本全体におけるインフレも背景として大きいと捉えています。

いまの段階ではあくまで「freeeのほうがやや高い」ですが、今後も頻繁に両者料金改定していくかとおもいます。そして、両社ともお互いを完全にライバルとして想定しているので、大幅な価格格差を設けてくるとも思いづらい。
つまり、相手の動向を見ながら自分の足並みもそろえていく、といった動きになっていくのではないかと予想します。

2点目は、freeeとMFの機能や開発方針の違いです。当初はおなじクラウド会計、という括りで機能も似たようなものというイメージだったかと思いますが、最近はかなり使い勝手や機能に違いが生じているように感じています。

大まかな特徴としては、
MFは既存の会計ソフトに近い作りで、経理担当者や会計事務所の職員にとっては使いやすい。データも手入力や修正の自由度が高い。
freeeは経理の知識が無くても操作でき、UIもシンプルに作られているので、操作はしやすい。しかし、既存の会計ソフトとはかなり特徴が違ったり、データは基本的に連携されることを前提に作られているので、そのあたりを理解して使いこなすまで時間がかかる。
という感じです。

また、freeeはfreee申告も開発しており、税務ソフトも含めた一気通貫パッケージとなっていますが、MFは、別の税務ソフトを利用することを前提とした作り、ということも違いとしてあります。

以上のような特徴の違いを踏まえ、結局のところは、「料金ではなく、機能や開発方針としてどちらが自分にあっているか」という論点で判断するのがいいかなと思います。

そういった観点に立つと、引き続きfreeeの方が私としては相性がいいと感じています。

いろいろな考え方があると思いますが、少なくとも、「こちらのほうが絶対によい」と言える選択肢は、現状では出ていないと思いますので、それぞれで判断する必要があるでしょうね。

そのうえで、私(JOEN)のスタンスとしてはこうですよ、ということを書かせていただきました。

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