あの日の卵かけごはん
子供の頃は極度の偏食だった。ジャンクフードかお菓子を除けば食べられるものより食べられないものの方が圧倒的に多く、三食の時間がいつも苦痛だった。今から思えば負けず劣らず偏食だった父からも、「お前は本当に好き嫌いが多い」とあきれられていた。そんな自分の数少ない「食べられるものリスト」の中にあって、おいしく食べられる、大好物というべきメニューが卵かけごはんだった。
いつから卵かけごはんの味に取りつかれたのか、記憶は定かではないのだけれど、卵かけごはんが我が家では「禁断のメニュー」