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2022年8月18日~8月23日 東京都交通局10-300形(10-720編成) J-TREC横浜事業所出場

・今年度最後の都営新宿線陸送

8月18日未明〜8月23日未明にかけ、都営10-300形がJ-TREC横浜事業所出場し所属先の大島車両検修場まで陸送されました。

今年度4本目の増備となり、今回の陸送をもち今年度製造分が全て揃うことになります。

2021年度から2022年度にかけ、都営新宿線10両編成化による車両増備は今回の出場をもって終止符となり、増発及び代替製造等の特別な要件がない限り同形3次車の製造も終了かと思われます。

今回は最後のまとめとして2021年度と2022年度の陸送模様を以下のリンクからご覧いただけます。
※一部有料記事となります。
ぜひご覧ください。

・2021年度 都営新宿線陸送

・2022年度 都営新宿線陸送


・普段とは異なる変則日程で行われた今陸送

前回までの陸送は月曜未明にスタートし、金曜未明に終了する計5日間の陸送でした。
しかし、今回はお盆期間も相まってお盆明けの木曜未明からスタートし火曜未明に終了するという変則日程となりました。
変則日程にはなりましたが、今回も全日程取材出来ましたので次項以降にてご紹介します。

・新車導入より一足先に全列車10両編成化された都営新宿線

今回の出場で都営新宿線の全編成が10両編成化される数日前の8月11日より一足先に全列車が10両編成となりました。

これにより、長年続いた8両編成の都営新宿線は消滅。
一昔前は急行列車は10両編成、各駅停車は8両編成と棲み分けされていた同線でしたが、全列車が10両編成化したことは当時想像出来なかったことであります。
そして、今陸送中の8月19日、最後の8両編成であった車両が廃車の為、京王線若葉台車両基地まで回送されました。
この回送により、都営新宿線内は全ての営業車両が10両編成となり、新たな時代切り開かれたと同時に一つの時代が終わりました。

8両編成は前回記事で掲載していますので今回は省略しますが、最後の編成が大島車両検修場に到着する前一つの時代が終わったことに驚きを隠せません。


・都営10-300形とはどういう電車?

ここでは、今回陸送された都営10-300形とはどういう電車なのか?
この機会を利用して簡単にご紹介します。

・どこを走っている電車なの?

都営10-300形は本八幡駅(千葉県市川市)から新宿駅(東京都新宿区)を走る都営新宿線と線路が繋がっている京王線を走っている電車であります。
都営新宿線は、東京都が運営している公営地下鉄ですが、唯一東京都以外を走る路線でもあります。
京王線は都営新宿線と線路が繋がっており、本八幡駅から橋本駅(神奈川県相模原市)や高尾山で有名な高尾山口(東京都八王子市)駅まで走っています。

・色々な種類がある10-300形

実はこの車両、同じ10-300形グループに様々な顔があることが特徴です。
それではどの様な種類があるのか調べてみました。

① 10-300形

登場時はこの顔で8両編成だった。
後に、一部編成が10両編成となり残りは全て引退となった。

② 10-300形

古い車両の中にまだ新しめの中間車を寄せ集め先頭車をくっ付けた10-300R形。
上記と顔は似ているが、古い車両と合わせるために所々で異なる部分があった。
ゲテモノ編成と呼ばれたが一足早く引退。

③ 10-300形

上記2つとは全く異なるマイナーチェンジで登場した10-300形。
内装等を大きく様変わりし新車と言っても良いのだが、形式変更はなかった。
今回陸送されているのはこの車両。

顔が全然違うのでは?と思う方もいらっしゃると思いますが、全て10-300形となります。
製造された期間が長い車両でもあるので、各車様々に細かい差異があります。
その差異を探しながら都営新宿線に乗ると少しだけ楽しくなるかもしれません。

・道路を使って運ぶ理由

基本的に、海外向けの車両や在来線より大型な新幹線(山形・秋田新幹線の様な在来線を走るミニ新幹線除く)を除いて鉄路で運ばれます(これを『甲種輸送』と呼びます)。
しかし、都営新宿線は上記の条件が全く当てはまらないのに、何故道路を使って運ばれるのでしょうか?

実は至って簡単。
線路幅が異なり線路が独立しているからです。

① 線路幅が異なる
同形が走る都営新宿線は、全国の地下鉄では珍しく線路幅が1372mmという他の鉄道路線では珍しい線路幅が採用されています。
日本の鉄道路線の大半は1067mmの狭軌又は1435mmの標準軌が採用されていますが、両者の間である1372mmの馬車軌間(※馬車軌間は、当時の東京馬車鉄道が初めて採用された軌間が由来と言われております。)が採用されている鉄道路線は日本の鉄道路線の中でも数少ない路線であります。

② 路線が独立している
①でも述べた通り、1372mmの馬車軌間を採用している鉄道路線は数少なく、都営新宿線も例外ではありません。
都営新宿線と線路が繋がっている京王線は同じ1372mmの馬車軌間を採用している為に直通運転が可能となっています。
しかし、線路が繋がっているのはこの2路線だけで独立しており、他の路線とは線路すら繋がっていません。
したがって、線路を使用しての輸送は不可能であり、必然的に道路を使っての輸送となります。

主に、以上の2点が道路を使って輸送される理由です。

しかし、鉄道車両は自動車よりも一回り以上大型の為、交通量が比較的多い昼間時間帯の輸送は困難であり、交通量が少なく警備が容易な深夜に輸送されることも特徴です(※例外あり)。


・今陸送を振り返り

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