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『この計画はひみつです』

公益財団法人 シャンティ国際ボランティア会 の、絵本を届ける活動に参加しています。これは、日本の絵本に各国の訳文シールを貼って送るというもの。


途上国や紛争のある子ども達に、絵本を通じて読み書きができるようになってもらい、生きる力を付けてほしいという願いがあります。

申し込むと、絵本と訳文シールが送られてくるのですが、その中にあったのがこの絵本でした。

表紙を見て、ワクワクドキドキの冒険小説なんだなと思いページをめくりました(訳文シールを貼る位置を確認するため、まず一読します)。

アメリカの、のどかな町での日常から始まります。あるとき子ども達が通っていた学校が閉鎖され、跡地に研究施設が作られ世界中から科学者が集まってきます。

読み進めていく内に、段々殺伐とした雰囲気に。あいまいですが、「ひみつの計画」が明らかになっていく過程が怖かったです。

この計画は、マンハッタン計画と呼ばれる、第二次世界大戦中にアメリカで進められて原爆開発計画だったのです。

「マジか、これ?!」知性のかけらもない言葉発しましたね。高校生の長女が側にいたので、見せると(「絵本」だから気楽に短時間で読めるところが、利点だと今は思う)、「…ヤバい」

訳文シールを貼るときは、一文一文かみしめるように読みつつ、貼り間違いは面倒なので、淡々と作業をしました。

作業を終えた後も、何ともやるせない気持ちになりました。ただ、著者は、アメリカ人。原爆投下が戦争終結に必要だったと思い人ばかりではないのだと、希望が見えました。それを知れたことが、私には意義のあることでした。

小学生以上、上は大人まで読んでいただきたいです。タイトルは、子どもが目を引くように考えているのだろうなと思います。






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