SILENT FUKUSHIMA

スイス国営テレビで五輪開会式の夜に放映されたドキュメンタリー番組だそうです。明日まで無料公開中。おしどりマコさん、アーサー・ビナードさんなどが出演。

地震・津波と原発事故から10年、いまだに収束の見えない福島第一原発の状況を「アンダーコントロール」と言ってオリンピックを招致した本邦政府が、何千人という入院もできず健康管理も行われていない新型コロナウイルスの発症者を「自宅療養者」と称して、あたかもそれが何の問題でもないかのごとく振る舞うことは、とても一貫性があることで、五輪招致の撒き餌に使われ、その後忘れられた(コロナ禍により「二重に忘れられた」ともいえるでしょう…もはや復興五輪という謳い文句すら出てこない)被災者たちの姿は、後遺症に苦しむコロナ罹患者の将来の姿といえるでしょう。今見ることに意義があるなぁ…と感じる次第。

何かしら国のトップの責任を問われるような出来事があったときに「関係者の大半が死に、新たなお祭り騒ぎや新たな事件によって人々がその出来事を忘れ去ること」に向けた報道の誘導は常になされているし、だからこそこういう良質なドキュメンタリー作品は重要なのですが、残念なのはこれが海外作品だっていうことですねぇ…

たまたま直前にアマプラで「FUKUSHIMA 50」を見ていたんですが、パニック映画としての出来の良し悪しは別として、フィクションと言いつつも現実のできごとをモデルとしていると謳うことで、だいぶいろんな歴史の書き換えを図っているなぁ…という印象があり、豪華俳優陣の熱演にも、どこか乗り切れないものがありました。続けてこちらを見たので、余計に差を感じましたね。

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