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仮名手本忠臣蔵@国立劇場

東京国立劇場にて、文楽の12月公演。仮名手本忠臣蔵の、まずは第一部の鑑賞だん。大序から6段目の勘平切腹まで。

考えてみたら、この演目の前半部分って、玉男さん(2代目)の襲名披露公演のとき、確か名古屋で観たんだった。二度目に観てみて、あの時は『由良助(=玉男さん)はまだ(出番にならないの)か?』ってことばっかり気になっててあんまり集中できてなかったのがわかりました…塩谷判官切腹の段って、なかなか由良助(=大石内蔵助)が到着しないんだよ。

あの時は、城明け渡しの段も「襲名披露なのにえらい地味なとこ選ぶなぁ…」と思ったんだけど、あそこは太夫さんの語りの力を借りずに、人形遣いさんが動きだけで見せるシーンなんだよね。今回あらためて観て、あそこをハイライトに持ってきた意味をようやく理解しました。

しっかし長丁場です。通し公演はそもそもハードだけど、その中でも忠臣蔵は段違い。朝の10時半から始まって、二部の終わりは夜の9時半だもの。

四月に大阪で妹背山婦女庭訓を1日で通しでみて、エコノミークラス症候群とかで死ぬのではないかと思ったのですが、それより長い忠臣蔵。流石に1日でみるのは無謀だと思い、二回にわけましたが、一部だけでも夕方4時までかかる。座って観てるだけでもかなり消耗しましたが、演ってる人はぶっ続けですからねぇ。

塩谷判官切腹の段は、現在唯一の切り場語り、咲太夫さんが約50分を丸ごと語られました。最近は病欠があったり、ひと頃よりお痩せになって心配してたけど、流石の迫力。この段では途中の入退室禁止なんで、手間の休憩時間には近くの席のおじいちゃま達が「オムツしてきたから大丈夫だ!」なんて冗談だかホントだかわからないこと言って笑いあってましたw

以前、SMTのライブ前の女子トイレで、東方神起ファンの(かなり)年上のお姉さまがたが「私ね、東方神起のコンサートの時だけは、4時間トイレに行かなくても大丈夫なのよ!」と語り合ってて「東方神起スゴイ…」と思ったのを思い出したよ…

勘平切腹の段は初めて観ました。勘平、仕事サボって女の子といちゃいちゃしてたりしたんでいろいろと自業自得だし、早とちり連発した上で追い詰められての切腹だし、冷静に考えるともうなんじゃそりゃなんだけど、英太夫さんの語りのおかげで泣けた。

つか忠臣蔵って若い男が揃いも揃って短気なんだよなー。若狭之助といい、塩谷判官といい、勘平といい…その分後半のメインキャストである由良助の大人の男のシブさが光るのだろう。楽しみ。

今回私的によかったのは和生さんの塩谷判官。和生さんは娘役のイメージだったんだけど、塩谷判官よかったー。あの無念の表情、由良助ならずとも仇を打たねばと思うわ。

先日の文楽イベントに来てくださった幸助さん、玉勢さん、玉路くんの姿も確認。少しずつ技芸員さんの見分けがつくようになってきて、それも楽しいです。

再来週に第二部観に行きます。簑助さんのおかるが素晴らしいという話を聞いてるので楽しみ。とにかく今ベテランの技芸員さんの高齢化が進んでいて、(ライブや演劇というものは常にそうだけど)今観に行かねば…!という想いが毎回ヒシヒシ。次回は初文楽のお友達と一緒なので、楽しんでくれるといいな。

帰りがけに麹町カフェでお茶してきました。ビッグなタルト・タタン。フレームぎりぎり。美味しかったです。

#文楽 #演劇 #アート #お出かけメモ #忠臣蔵 #美味しかったもの #日常 #161207

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