美術史上の二つの去勢

それは遅れてやってくる。
 

レオナルド・ダ・ヴィンチは当時の先端機器(カメラオブスクラ)を使って絵画制作をしたと言われる。一般にはその後の印画紙に焼き付けた「写真」の登場によって美術史は一度切断されたと考えられている。それよりもレオナルドではないだろうか、切断面に位置するのは。普通の具象絵画を不可能にさせる、時間差で(レオナルドは無名だった)(フェルメールは問題にならない。「空間」等、芸術がレオナルドのようには全く成立していない)。スフマートは絵の具に幼児的に淫することの去勢の意味。二度目の切断面が、パブロ・ピカソに代表される「分析的キュビスム」というごく短期間のハードコア。この切断(=「去勢」)も時間差で回帰してくる。日本で。「50年ぶりのキュビスム大規模回顧展(国立西洋美術館)」という装置立てで。


参照。
 

50年ぶりのキュビスムの意味|加藤 豪 #note https://note.com/naar/n/n11927ee01220?sub_rt=share_pw

蔑称=日本の現代アート|加藤 豪 #note https://note.com/naar/n/n72f1df3366f6?sub_rt=share_h

 
 
[追記]

二つの去勢。美術史と聞いただけで、多くの人がおぞましい気持ちに駆られるのは、この意味である。

精神分析再び。私は精神分析、再々評価派と言うべきか。新しいセクトの自認。

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