聞きなれた音が意外な場所からした話
コンコンコンコンコン!
コンコンコンコンコン!
どこからか、木を叩く軽い音がした。
この音は聞き覚えがあるぞ。キツツキだ。
いつもは裏山から聞こえてくるのに、今日は妙に近い。
どこだ……?
木が生えていない方向から音がするので不思議に思い探してみると、キツツキがつついていたのはウチの農作業小屋だった。
コンクリート造りの小屋で唯一、木材が使われている屋根の軒(のき)部分。
コウモリのように器用に梁につかまってつついていた。
動きのイメージとしては、高速で腹筋運動を繰り返しているような感じだ。
その方向にも動けるんだ……。
なんとなく、立っている木につかまってつついているイメージしかなかった私にとって、それは意外な光景だった。
気配を察したキツツキがどこかに飛び立ってしまうまで、じ~っと見続けていた。
おもしろいものが見られたな、という気持ちの反面、小屋に穴開けられるのは困るな。
でも、もう1回だけ見てみたい。
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