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ちょっぴりHappyになるシール 【#この春やりたいこと】

「朝までファーストフードで みんなたわいもない話
時間が経つのも忘れていたね 共に過ごした日々が懐かしい♪」

日曜日の10時過ぎ、Every Little Thingの「Dear My Friend」が
ラジオから流れてきた。🎵
「うわぁ、懐かしい~~~」
少し遅い朝ご飯食べていた麻里は思わず手を止めて、聴くことに集中した。
特にこの曲のサビである
「いつも居心地のよかった あの場所へ戻ろうよBest Of My Friend♪」 が
盛り上がっていいんだよな~とあの頃を思い出した。

20年以上前にこの曲が流行った時、朝まで語り合うのはそんなに
悪いことではなかった。
夜中まで飲み屋もファーストフードも当然のようにやっていて
タクシーもすぐ拾えた。

それが今は一切できない世の中になった。
まぁ、私はそれ相応に年をとったから夜遊びしたいと思わないけれど
今の若い人はオンラインで飲み会がフツーになるのかな。
慣れれば楽しいかもしれない。でも、一緒に目を合わせて、
肘をつついたりできないのは寂しいだろうなぁとふと感じる。

麻里の楽しみの1つである旅行もしばらく行けそうにない。
そんな時にあるものに出合った。

「シール集め」である。

シールと言っても多種多様で
手帳に貼る食事や外出のイラストの小さなサイズ、
赤や緑の丸い円でポイントを強調するようなもの(勉強用に)、
そしてスヌーピー、ムーミンなどのキャラクターなど。

元々、文房具が好きでノートやペンには拘っていたが
手帳やノートを彩るものがあると書くのがさらに楽しくなることに気づき、
その時の気分によって貼っている。
最近はマスキングテープも流行っているが、コンパクトに収納でき、
手軽に持ち運びができるのでシール愛用は変わらない。

実はこのシール、意外なところで役立ったのである。
先日、地下鉄に乗っていたところ、横に座っていた3歳ぐらいの女の子が
お母さんと話していた。
「お母さん。レッサーパンダの顔ってどんな顔?」
「えーと、今、スマホで見るから待ってね。あれ、バッテリーが切れているのかな。電源がつかない・・・」
スマホを何回操作しても電源がつかない様子で
そのうち女の子はイライラし始めて、「ねぇ、まだ、まだ~」と声が大きくなっていく。

麻里は手袋をしながら、いつも持ち歩いているシールブックに、
動物の絵が描いてあるのがあったような・・・とパラパラとめくり始めた。
「あった!」
パンダ、ゾウ、キリン、コアラに混ざってレッサーパンダの
絵が描かれたシールが1枚の台紙に入っていた。

麻里はすぐさま、「あの、良かったらこれどうぞ。レッサーパンダのシールです」とシール台紙を手渡した。
母娘はシールを見て一瞬びっくりしたが、女の子がすぐ受け取り、
「わぁ、動物たちだぁ。えっ、どれがレッサーパンダ?」
「これだよ。この絵は顔しかないけれどレッサーパンダの
尻尾は太くてかわいいんだよ」とつけ加えた。

女の子は嬉しそうに「わ~い。これ、もらっていいの?」とはしゃいだので
麻里は「もちろん、あげるね」と答えた。
お母さんはすみませんと恐縮していたけれど、喜んでもらえてよかった。

小さくて何気ないものだけど、ちょっぴりHappyになるシール。💗
この春も手を洗って、シール集めを楽しもうと思う。

書き続ける楽しみを感じています、その想いが伝われば嬉しいです~