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『仮面ライダーセイバー』は、ライダーおもちゃの新たな時代を創った、、かも?

1.ついにセイバーも明日で終わり

 卒業、入学、就職、独立―『別れ』といえば3月、『出会い』といえば4月。しかし我々ライダー好きにとって出会いと別れは今この瞬間。そう。8月末と9月頭にやって来るのです。早かった。なんと明日(ていうか今日)でセイバーが終わるなんて。ほんと1年あっという間だなあ、、

 この記事に一瞬でも目を通してくださった方、大変ありがとうございます。これをご覧になっているということは、きっと相当な特撮好きの方だと思われます。今年もこの時期です。1年間走り続けたキャスト、スタッフの皆さんの集大成であるTVシリーズ本編の最終話がついにやってきました。僕のような人生ふらふらフラダンスで脳みそブル―ハワイのクソザコ大学生が言うのもなんですが、やはり今年も演者さんの成長やキャラの確立がなされていく過程を親のように見守っていました。もう、とにかく蓮くんの表情!!デザスト!!アツい!アツすぎる!!!!!四賢神を蓮くんが倒しまくるのもやばい!!!! 
  
 。。。ぜひともVシネ第一弾は『仮面ライダーエスパーダ/仮面ライダー剣斬』でお願いします!!!!東映さん!!!
 間違いなくセイバーでの僕の推しは緋道蓮/仮面ライダー剣斬ですね。あと、マジーヌのママも好きです。役も本人も愛がクソ重で草生えます。

 というわけでして、一発目の投稿では僕なりにこの『仮面ライダーセイバー』という作品のいいところ、一緒に完走した感想をお話しできたら。ポイントを絞ってお話しすると、セイバーの素晴らしいところはおもちゃ販促と脚本の完璧な融合にあると思うのです。

2.聖剣ソードライバーは『3パーツ構成』がすごい

 聖剣ソードライバーの説明は、これを読んでいただいている方には不要でしょう。ベルト本体、剣(火炎剣烈火)、ワンダーライドブックという3パーツ構成の変身アイテム(ヘッダー画像参照)です。剣の柄部分にあるエンブレムを取り換えると他のライダー用のベルトへと変化する機能も付いています。このドライバーのギミック、エンブレム取り換え機能など魅力は語り切れないほどありますが、今回語りたいのは『3パーツ構成』という部分です。

 上述した通り、ソードライバーはベルト本体と剣、ライドブックの計3パーツで構成されています。ベルト本体に上限3冊までの本をセットし、剣を抜刀することで本が開き変身。どの仮面ライダーに変身するかを剣が決定し、どの形態に変身するかをライドブックが決定しています。従来多くの変身アイテムにおいて後付けオプションだった武器が、ベルトに組み込まれたことで、今までとは違う三次元の販促が可能になったのです。

3.巧みな販促~中間フォームの壁を乗り越えろ!~

 では、この剣と本の2段構えがどう脚本と融合しているのか?まずは従来の仮面ライダーにおけるおもちゃとストーリーの関係を見てみましょう。

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 従来の仮面ライダー(特に平成2期以降)の場合、序盤に多くの派生形態が登場し、対応する拡張変身アイテムが大量に発売されます。まさに、多々買わなければ生き残れない。Alive a lifeな販促構造。財団Bにクリエイションされた夢が大体年末くらいまで踊ります。
 問題は年末商戦に合わせて発売されたりされなかったりする中間アイテム出現です。完全上位互換が現れてしまうせいで、主人公が初期のバリエーションを使うことがなくなります。序盤に発売された多くの拡張アイテムは、なかなか日の目を浴びずに本編から姿を消します。この記事では、この『中間アイテム入手後にストーリーと販促の都合上、初期アイテムの影が著しく薄くなる現象』を『中間フォームの壁』と呼ぶこととしましょう。セイバーは、この中間フォームの壁を見事に乗り越えました。

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 セイバーも例にもれず、序盤においてはたくさんのワンダーライドブックが発売され、その後中間フォームであるドラゴニックナイトやエレメンタルプリミティブドラゴンが続きます。当然序盤に出てきたワンダーライドブックは本マシマシ出番少なめになるのですが、なんとセイバーの最終アイテムは新たな剣なのです。しかも、その剣での変身には初期の本が必要。
 僕は衝撃でした。なぜなら『どうせ最終アイテムは全ての本の力が使えるバカでかい本棚とかなんだろ??』って本気で思ってたからです。今思うと浅はか~~~。今年もしっかりと制作の皆さんに裏かかれました。
 3パーツ構成にすることで、強化の方向性に幅が出るようになりました。これで子どもたちが序盤に買ってもらったおもちゃの使い道も生まれます。しかし、次はストーリー上の問題が生まれます。『今まで本でばっかり強化してきたのに、最終アイテムは剣って不自然じゃね?』という問題です。セイバーはこの問題もちゃっかり解決しています。

 セイバーのストーリーにおいて、戦闘の重心が本から剣に移動しているのです。(ここからめっちゃネタバレ!!!)

 セイバーは、序盤においては主人公の飛羽真(とうま)が小説家であることを活かし、本の力をうまく引き出しながら戦っていきます。しかし、中盤以降は本の力だけでは切り抜けれない戦闘が増え、火炎剣烈火そのものの性能を引き出す必要性が何度も強調されていきます。そして様々な戦いを経て剣の扱いが上達した飛羽真によって、火炎剣烈火は、語り継がれていた覚醒へと導かれます。そうして生まれた最強にして最後の剣『刃王剣クロスセイバー』は、最初に飛羽真が手にした『ブレイブドラゴンワンダーライドブック』や、仲間たちの初期の本などと共に劇中最強の力を発揮していくのです。

 どうです?激アツな展開じゃないですか!?!?!?序盤のアイテムが終盤になってきちんと役に立つ上に、しっかりと最終アイテムは販売する。むしろ最終形態の再現(クリムゾンセイバーやフィーチャリングセイバー)のために序盤のおもちゃが欲しくなってしまうなんてことまで起こりうる!見事に中間フォームの壁を乗り越えたこの戦略は、まさに脚本とおもちゃ販促の完璧な融合だと思います!

4.意外な先輩

 このような、3パーツ構成によって、脚本と販促を高次元で融合させるという試み。それこそセイバーがエポックメーキングな作品であったと私が思う理由です。
 ちなみに、このようなパーツ構成のベルトが実は過去にも存在します。皆さん、ご存じですよね?

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 そう。最近CSMも発売された、仮面ライダー鎧武の戦極ドライバーです。戦極ドライバーはベルト本体、フェイスプレート、ロックシードの3パーツ構成であり、その役割もライダーの識別と形態の決定という非常に似たものとなっています。モチーフ剣だし。やっぱりライダーは先人の知恵を活かしながら新しいものにチャレンジしてるんだなあ、、(しみじみ)

5.まとめ どうせならアイツも救ってくれ!

 このように、『仮面ライダーセイバー』という作品は、その戦略において非常に優れた作品であったと評価できると思います。数年たって振り返った時に、この販売戦略がエポックメーキングなものとなったと評価される可能性も高いのではないでしょうか?
 ぜひ、来年以降もこのような序盤のアイテムを救済していきつつ、新たなアイテムで消費者を幸せにする取り組みが続くといいなあ、、と思います。
、、ん?あれは、、

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あっ、、、(多々買え、、、多々買え、、、)キーン、、キーン、、

西遊ジャーニーとかストームイーグル救済できるならこいつらも何とかならなかったのかよ!!

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