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深夜がんばり隊|令和、LEDになる

こんばんは。

深夜がんばり隊。

令和、私の部屋はLEDの電気になった。


Amazonで注文した
『LEDシーリングライト』が届いた。

結局、替えの蛍光灯ではなく
LEDの本体を購入した。

まったくリカイしていなかったが、
LEDというのは蛍光灯の種類じゃないらしい。

今でもリカイしていないが、
LEDは本体ごと買い換えるものらしい。

リカイする気がないのは、
別に詳しくなる必要がないから。

なんでもいい、
太陽不在の時間帯をしのげるなら。


LEDは、もちろん自分で取り付けた。

取り付けはカンタンだった。

ただ、
既存の照明を撤去するのに手間がかかり、
なかなか外れない照明を支える腕が千切れるか、
それとも腕の力が抜けて
頭上に蛍光灯が降ってくるのが先か。

「俺らはまだやれる、LEDに負けてたまるか」

蛍光灯が抵抗しているようで、
なんだか気の毒になりながらも
なんとか取り外した。

蛍光灯には悪いが、
私は明るければなんでもいい。

それに、蛍光灯への義理は果たせたと思う。

3本のうち1本が切れていることに気付かず、
きっとこの1年暮らしていたから。

いつか、
LEDに席を譲り渡すことになっていた。

それを1年、
私の恐るべき鈍感力で気付かれず、
ひっそり命を延ばせたんだから。

もう少しキチンとした人なら、
とっくにLEDに替えていただろう。

鈍感な私のもとに設置されたが故に、
少しだけ長く生きられたことに感謝してほしい。


このあと粗大ごみとなる蛍光灯に、
せめともの弔いの言葉を。

「LED、そんなに明るくないよ。
  蛍光灯と変わらない」

私はひどくがっかりしたよ。

LEDを取り付けて、
電気のスイッチを押す瞬間。

どれほど部屋が明るくなるのかと、
ドキドキ、期待してたの。

でもさ、
パッとついたLEDは感動するほど明るくない。

なんなら蛍光灯3本のほうが
明るいんじゃないかと思った。

明るさ調整が悪いのかと思ったけど、
いくらボタンを押しても
それ以上明るくならない。

落胆というより、幻滅よね。

「もっと明るいと思った」

「ホントは蛍光灯の一種なんでしょ?」

蛍光灯とLEDの違いなんて、
私にはわからないのよ。

私は明るければ、なんでもいい。

蛍光灯、あなたが嫌いで
LEDに乗りかえたわけじゃないからね。

それだけは、忘れないで。

それと、
あなたのおかげで脚立を克服した。

私、本当に脚立が苦手だったの。

でも、大人になったのかしら。

今日は怖いと思わなくて、
スっと立ち上がれた。

そのまま、
壁につかまることもせず、
両腕を伸ばしてあなたを取り外したの。

あなたがこの天井に取り付けられたとき、
きっと父親がやってたよね。

すごくない?成長したでしょ。

あなたがこの部屋に来たのが
いつかわからないけど、
きっと20代になってからだと思う。

ごめんね、部屋でタバコ吸って。

天井にいたあなたが、
1番の被害者だったと思うよ。

空気清浄機も置かず、窓も開けず、
あなたと同じ高さにいるエアコンや扇風機は
季節ごとに掃除してもらえるのに、
あなたは一切拭いてもらえなかったね、私に。

一昨日、
あなたのカバーを外したついでに
お風呂場で拭いたらさ、ヤニヤニヤニ。

iQOSに替えて3年くらい経つのよ。

それに、
その間2年くらいはここに住んでなかった。

そのヤニ、いつのもの?

2019年以前じゃない?

ごめんね、ずっと気づかなくて。

ベタベタして不愉快だったでしょ。

あなたは家電のひとつで、
そもそも弔いの言葉なんて受け取っても
「いや、俺らそういうんじゃないし」って
きっと困惑してると思う。

でも、
たまたま訳のわからない文章を書くのが
好きな人のところに設置されたのは、
きっとほかの家電にはないラッキーだよ。

家電に天国があるのか知らないけど、
もしあるならネタにできるから。

「俺、最期に手紙もらっちまってさw」

「は?家電に手紙?変な家行ったなw」

「いいなぁ、私なんて邪魔だから
  さっさと捨てろって言われたよ」

それなりに盛り上がると思う、知らんけど。

こうして手紙を書いちゃうと、
なんだか捨てるのが名残惜しくて、
このまま部屋に飾ろうかとも思うんだけどさ。

そうも言っていられないから、
次の粗大ごみに出しちゃいますけど。

悪く思わないでね、
私はあなたに感謝してる。

生まれ変わったら、
LEDの地位を揺るがす新型照明になって
また帰ってこいよ。

それまで、元気でな。


2024.03.23

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