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第3の選択肢:常識に囚われる自分が恥ずかしい(油圧とモーターと)

■いつから計画していたのだろう

○電動ショベル開発加速、建機メーカー大手がアピールする技術力
2023年05月26日

世界的な脱炭素の流れを追い風に、建設機械メーカーの電動ショベル開発が加速している。千葉・幕張メッセで26日まで開催中の「建設・測量生産性向上展」では、大手メーカーが試作機や新機種を展示している。ただ発売時期はまだ先で、現状は各社の技術力アピールの色彩が強い。

https://newswitch.jp/p/37113

ここで取り上げられているのは、キャタピラージャパン、日立建機、住友建機、コマツである。

「22年にドイツで開催された国際建機見本市「bauma2022」でも、コマツが20トンクラスの電動ショベルを展示するなどメーカーのPR合戦が繰り広げられた。」とあるように、大々的に前面に登場したのは2022年、昨年のことであるが、こうした建機の開発期間はどのぐらいであろう。

突然発想が出てきてできるものではなく、安全や機能面を満たす要素技術の開発、試作機のテストなどを考えると数年であろう。

■油圧ショベル

今から4,5年前。油圧バルブの関係の製作会社にインタビューしたことがある。建機の駆動での油圧バルブの開発設計を行なっていた会社である。その時、「電動モーターの話を聞いたが、パワーが出ないので実用的でない。」と聞いた。

今回の電動ショベルが、駆動部が油圧か電動モーターかは分からない。パワーが必要なことを考えると、まだ駆動部は油圧かもしれない。しかし、少なくとも「走行」に関する部分は電気化されているだろう。

今はまだ油圧かもしれないが、これが電動モーターで実用性が高まると建設現場が大きく変わるかもしれない。電動化により、小型化・軽量化が可能になり、今まで中々建設機械が持ち込めなかった場所にも容易に導入できるかもしれない。

それは、災害復旧などにも威力を生み出すだろう。また、電動モーターにすることにより、動作フィードバックのコントロールがしやすくなり、自動運転も可能となるだろう。

■現状をそのまま受け入れること

後から想像するのは容易だ。それはある種答えを知っているからだ。しかし、数年前に油圧バルブのことを調べたときには、電動化などは考えもつかなかった。それはなぜだろう。今思えば、容易に応えることができる。知識ではない。現状に何も疑問をいだかなかったこと。そして、多くの対話の機会を創り出さなかったこと。

両利きの経営は「深化」と「探求」である。そのどちらも、集合知による発見の活動になる。大企業であれば、資源があるのだから、こうした活動をもっと進めるべきだろう。

<閑話休題>

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