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Nadaraka cycling clubをつくるまで #1

「なだらかな坂を上ったり下ったり
変化を受け止め、自由な自転車活動を」
Nadaraka cycling club をつくるまでの
プロセスの記録

運動が苦手になった頃

得意ではないけれど、体育の授業は嫌いじゃなかった。特に跳び箱や鉄棒が好きで、何度も練習しクリアできた喜びは今でも覚えている。

その後、あるきっかけから「私は運動が苦手だ」と認識するようになった。
同級生に誘われ運動系の部活に入ったものの、諸々の事情でなじめず半年程でそっと退部した。
当時私の中の図式は、「運動=運動部に所属すること」だったから、身体を動かしたりスポーツをすること全般が、一気に苦手ジャンルになった。

社会人になるとなおさら遠ざかった。
職場で誘われたゴルフは面白かったけれど、数回だけ。友人の勧めで通ったスポーツジムも、数か月で退会。
自分から積極的に始めなかったし、
何をやっても続かないよなーとあきらめていた。

自由と楽しさを知ったきっかけ

「運動が苦手」という固定観念から
最初に自由になったのは、
妊婦だった30代半ばのこと。
通っていた産院では、体力づくりを積極的にすすめていた。私が取り入れたのは、意識して歩く時間を増やすことだった。

車か電車か迷うなら、電車にしてみる。
電車にするなら、一駅手前で降りてみる。
ウォーキングに適した靴を履き
バックパックに荷物をまとめると
想像より長い距離を移動できて驚いた。

桜の季節からスタートし、秋の出産直前まで
私は街をたくさん歩いた。
木々の緑が濃くなる様子、
傘をさして通り抜けた紫陽花の脇、
蝉の鳴き声と冷たい麦茶のおいしさ、
初秋の爽やかな風。

「そっか、運動って、特別なものじゃなくて、
日常のなかで新しい発見ができることだったんだ!」

夫婦で出かける以外に、仲間もできた。
産院には妊婦が集う場があり
他愛ない話をしてご飯を食べたり、
動物園や里山へピクニックに行ったりもした。

みんなでペースを合わせて歩く日も、
ひとりでのんびり歩く日も。
変化する風景を五感で受け止めながら
汗をかくのが心地よく、
気づけば身体も心も健やかになっていた。


動けなかった日々を経て

秋がきて紅葉シーズンにお産をしたから、
すぐに冬がやってきた。
冷えに弱い私は、少し体調を崩した。
睡眠も小刻みだったし、
やっぱりとても疲れていたと思う。
適度な運動を、と頭をよぎっても、
なかなか歩く時間はとれなかった。

産院での仲間に恵まれ、
子育てはとても充実していた。
家族3人で色々なところに出かけた。
ただ、私自身は慢性的な不眠や
ホルモンバランスの変化で、
健やかさから遠ざかる日々が続いていた。

そうして、息子が2歳の頃、
私は1台の深緑色の自転車に出会った。
新しい発見のはじまりだった。










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