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くまモンの「いいね!」は最強だ。

いつになく落ち込んだ仕事帰り。
俯き加減に歩いていたら、人にぶつかりそうになった。
「すいません」とよけると、くまモンがいた。
正確にはスーパーの軒下に、セール品として置かれていたトイレットペーパーである。そのお茶目な笑顔がなんとも愛らしく、次の瞬間には手に取り、レジに並んでいた。

そこから始まった、わたしとくまモンの旅。
仕事先近くのスーパーだったから、一緒に電車に乗ることになった。夜8時近くでラッシュほどではないけれど、会社帰りの人々で混みあっている。
わたしはつり革に捕まりながら、くまモンをそっと荷台へ上げた。トイレットペーパーなので、袋に入れてもらうことなく、精算済みのシールを貼っただけ。荷台に上げると余計に目立っていた。

よくみると、くまモンは親指を立てて「いいね!」をしている。きらきらん、としたお星さま付きである。大の字に寝てるヤツもいるし、ウフフと嬉しそうなくまモンも。

そうか、なんでも「いいね!」にしてしまえばいいのか。いいねじゃないことも、その経験を胸に成長して、いつかいいねにすればいい。

いつしか、鬱々とした気分はどこかへ消えていた。

わたしはくまモンと、こうして明るく帰路を共にできることを感謝した。

くまモンの「いいね!」は最強だ。




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