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やる気で、世界は変わる

昔々、あるところにムキリョクとガンバルがいた。

ムキリョクは、いつもため息をついていて、「疲れた」が口癖だった。

ガンバルは、いつもやる気に満ちていた。

一生懸命、頑張って、着実に成果を上げていた。

ガンバルは、ムキリョクに言った。

……そんなだと後で後悔するよ。何も達成できてないから。

ムキリョクは、空虚な目をガンバルに向けると、独り言のように言った。

……成果なんていらない。人生に虚しさしか無いから。

ガンバルは、ムキリョクにありったけのエネルギーをあげた。

空にエネルギーが燃えあがり、それをムキリョクは、虚ろな顔をしながら吸い込んだ。

ムキリョクの心には、ブラックホールがあった。

ガンバルのエネルギーをブラックホールがすべて吸い込んだ。

力尽きるガンバル。

ムキリョクは、薄く笑った。

ムキリョクは、言う。

……頑張るなんて無意味だよ。この世は虚無が本質なんだから。

ガンバルは、立ち上がった。

ガンバルは、ブラックホールの中にワームホールを見つけていた。

ガンバルは、最後のエネルギーをワームホールへぶん投げた。

ムキリョクに異変が起きた。

ワームホールの向こうには、ムキリョクとそっくりなムキリョクがいた。

このムキリョクは、やる気に満ちていた。

ムキリョクとムキリョクの目があったとき、2人は入れ替わった。

この世界のムキリョクは、やる気いっぱい。

あの世界のムキリョクは、無気力になった。

ガンバルは言った。

……あっちは大変だろうけど、こっちのムキリョクには頑張ってもらおうか。

ムキリョクは、元気よく言った。

……まかしとけ!

やる気で、世界は変わる。


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