見出し画像

中学で野球をやる場合、軟式か硬式か

私は現在、中学硬式野球チームでコーチをしています。

自分の中学時代は中学校の軟式野球部でプレーをしていました。

高校、大学、またその先まで野球を続けたいと考える場合、中学では軟式をやるべきか、硬式をやるべきか、考えてみたいと思います。

結論としては、「人による」と思います。

ただ、自分なりの結論はあるのでそれを書いていきたいと思います。

1.運動能力が普通、もしくは普通以下なら硬式がおすすめ

私としては、その選手があまり運動能力が高くなく、でも高校やその先でプレーしたいと考えているのであれば、硬式をお勧めします。

理由としては、運動能力が高くなくても軟式球と比較して重たい硬式球を扱うことで上手くなると感じているからです。硬式球は打つのも投げるのも中学生の年代にとっては力が要ります。下半身を使い、その力を体幹を通して上半身に伝える必要があります。しっかりと身体全身を使わないと力強いプレーができないわけです。なので、運動能力があまり高くない選手は硬式球を使用することによって何とか身体の使い方を体得できると思います。

一方で軟式球は軽いため、全身を使えていなくてもある程度ボールは投げれるし、打っても飛んでいきます。要するに誤魔化しがきいてしまいます。そのままクセがつき、硬式に移行すると投げれない、打っても飛ばない、ということになります。高校に入ってそのクセを直すのに時間がかかってしまいます。高校では、そういったことに時間を中々かけられない場合も多いので、軟式上がりの選手が後れを取ってしまうこともあるでしょう。

では、なぜ「運動能力が普通、もしくは普通以下」と加えたでしょうか。
これも私の持論、経験則でしかありませんが、運動能力の高い選手は軟式だろうが硬式だろうが理にかなった動作でプレーします。したがって、硬式に移行するにも時間がかからずスムーズに移行できるのです。実際に、軟式出身のプロ野球選手も多いです。

2.データから見る軟式と硬式

少し前の話になりますが、日本ハムの大渕さんが以前Facebookでこんな投稿をされていました。

https://www.facebook.com/share/p/xDpBzcRCAdqoKuMd/?mibextid=WC7FNe

原因はわかりませんが、

  • 投手は大器晩成?

  • 成長期硬式球の身体的負担?

  • 成長期の大会過多(投球数)?

などが原因では?と大渕さんも仮説を立てています。(本当のところはわかりません。)

とはいえ、中学から硬式球に触れることで肩肘への負担は軟式と比較してもあるかもしれません。

現在では、中学硬式の球数制限をはじめ、投球過多にならないよう連盟も様々なルールを設定しています。上記の選手たちが育ってきた環境とは変化してきている部分も多いと思いますので、上記のデータはご参考までに。

また、筑波大学教授であり、硬式野球部の川村卓さんは著書の中で以下のように述べています。

内側側副人体で厄介なのが、子どもの頃に痛めた箇所が大人になってから"再発する"ことだ。大学生を対象に調査したところ、大学でヒジを初めて痛めた例は全体の5パーセント程度で、ヒジが痛くなる選手の95パーセントは、小・中学生の時期に痛めた経験を持っていた。それだけ、骨端線が閉じていない子どもの投球には、大人の配慮が必要になる。小・中学生のうちに勝ちたいからと連戦連投していれば、ヒジに負担がかかるのは誰もがわかることだ。

新しい少年野球の教科書 科学的コーチングで身につく野球技術

※「骨端線が閉じていない」というのはざっくりというと、「骨の成長が止まっていない」ということ。

小・中学生の時期にヒジを痛めることはその後の野球人生にも大きく影響することがわかっています。

以上、身体的負担という観点から見てみました。こういったことも念頭に置いたうえで指導者は選手と関わっていきたいものです。

3.指導者の違い等

軟式だと中学校の部活として野球をやるのが一般的でしょう。
その場合、指導者は基本的に中学校の先生であることが多いです。(現在では、外部指導員制度なども導入されていますが)

中学校の先生の中でも野球経験のある方もいれば、野球経験がなく関わる方もいます。経験がなくても勉強しながら指導してくれれば良いですが、なかなかそこまで期待できない場合もあります。また、転勤なども多く3年間同じ指導者に見てもらえない可能性もあります。つまり、指導者の質という点では運による要素も大きいと思います。

硬式の場合は、リトルシニア、ボーイズ、ポニーなどのチームに所属することが一般的です。基本的には指導者は野球経験者でしょう。指導者は仕事は別で、ボランティアもしくは有償で野球の指導に関わっていることが多いです。そのため、自己都合やチーム事情で指導者を辞めることはあっても他のチームへの移動ということはほとんどありません。なので、中学校と比較すると、ある程度将来の見通しが立てられるのではないでしょうか。

補足になりますが、練習の頻度も違います。

基本的には、中学校は毎日部活動として練習があり、(週に1~2回休みあり)学校の仲間と時間を共にすることになります。

一方、学外のチーム(リトルシニアなど)は週末のみの活動、もしくは平日2日、週末などの活動となるチームが多く、活動は毎日ではないことも多いです。

そういった要素も軟式、硬式を選ぶ際のポイントになるかもしれません。
(送迎なども問題もありますね。)

まとめ

以上、「中学で野球をやる場合、軟式か硬式か」を私の視点で書いてみました。人それぞれ状況は異なると思いますので、上記はあくまでも参考として考えてみてください。

お読みいただきありがとうございました。

参考になった、という場合は是非、「スキ」をいただけると嬉しいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?