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メンバーの声〜疲弊する顧問と部活の安全確保〜

長野県の部活動を考える組合メンバーの部活に対する思いを紹介します。

部活の危うさ

私が教員を目指すにあたって一番疑問に感じていたのが部活動問題でした。2017年7月、新潟の高校での部活動中に起きた死亡事件をご存知でしょうか?帰路の3キロを走るように顧問からマネージャーが指示され、倒れて亡くなってしまった事件です。衝撃的なニュースでした。部活動はときに命の危険につながる可能性があることを感じざるを得ませんでした。

そんな危険な部活動の顧問をやりたがるのは一体どういう人でしょう?恐ろしいことに、安全配慮の考えとは無縁の経験者がやりたがっていることがあります。そして、もちろん教員の中には顧問を希望しない競技未経験者もいます。そのため、なおさら競技上の安全配慮は困難になってきています。

部活動の違和感

私は2023年4月から初任として部活動の顧問になりました。しかし、たった5ヶ月の顧問生活のうちでいくつもの違和感に出会いました。まず、教員の持ち出しが非常に多いことです。審判の資格を取るのは自腹で、必要な用具も自腹です。休日の手当があるとは言えど、丸一日やって2,700円しか出ません。

また、部活に取られる時間の長さです。私がしている顧問の競技では土日は高頻度で潰れます。お弁当1個となけなしのお金で、大会の運営のためだけに労働力として日曜日が丸一日潰されます。疲弊してプライベートの時間は取れません。さらに、平日に大会が入れば教科指導の時間さえ削られます。そこまで経済的にも精神的にも顧問は削られていきます。そんな顧問がどうして生徒の安全を守れるでしょうか?

仲間と変えたい

望まない教員に部活動の顧問を強いることは疲弊した教員を生み出します。そんな顧問の先生に安全配慮まで求めるのは不可能だと私は思います。生徒のかけがえのない命を守るためにも、まずは教員の中で共感できる仲間が必要です。長野県の部活動を考える組合(AEGIS)には、代表をはじめ、この違和感に共感してくれる方がたくさんいます。仲間が居なければ違和感に目を背けていたかもしれません。この気持ちが部活動のあり方を変える大きな1つの流れになったら良いと願っています。

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