総合医育成プログラム研修記録 ミーティング・ファシリテーション②
実際の会議の進め方についてです。
講義では、4つのステップ「構造化→拡散→収束→共有」が紹介されていました。個人的に学びとなった本の内容も一緒にまとめました。
1.話し合いの4ステップ
講義では「構造化→拡散→収束→共有」という4ステップが紹介されました。
①構造化:現状と目標・目的について共有する。
②拡散:議論を広げていく。
③収束:ペイオフマトリックスを用いて絞り込む
④共有:誰がいつまでに何をするか、を確認する
ことになります。
ペイオフマトリックスは、下のようなグラフを用いて、意見やアイディアを分類し、評価基準をもとに、意見やアイディアに優先順位をつけていく方法である。
2.合意形成・問題解決のステップでファシリテーションを実践
全体像は下図の通りです。前回までは、会議の事前準備をまとめました。その事前準備をもとに、ファシリテーションを実践する場面です。この時も、合意形成のステップと問題解決のステップを意識しながらファシリテーションを行います。
⑴ 場の目的共有
・場の目的自体は何か?
「この議論は何を決めるために行うのか?」
「この議論のゴールは何か?」を共有します。
事前に考えた「到達点」を共有することになります。
・合意のための手続きは妥当か?
この会議は何をどこまで決める権限があるのか?
意思決定に関わるメンバーが参加しているのか?
意思決定の方法・ルールは妥当か?
議論に当たって必要な情報はそろっているのか?
など
・参加者への期待役割は何か?
「どのような狙いで議論に参加してもらい、どういう
役割を果たしてもらいたいか?」を参加者ごとによく
考え、適切な形で伝達しておくことが必要です。
⑵ 問題意識の明確化:What「何が問題か?」
「あるべき姿と現状のギャップ」が「問題」になります。
問題意識が異なるのは、あるべき姿が異なるか、現状認識が異なるか、です。そのため、問題意識を明確化し認識の差異をなくすことがスタートになります。
⑶ 問題箇所の特定:Where「どこが問題なのか?」
ここでは議論を「広げる→絞る」を行います。
どうしても、人は、すぐ「なぜ?」を考えてしまいます。そのため、「どこが問題か?」に踏みとどまって考えることが重要で、その結果、議論を広げ絞り込むことができます。
⑷ 真因の追及:Why「問題が生じる原因は何か?」
Whereで問題箇所が明らかになったら、なぜそうした結果が起きているのか、原因を考えます。徹底的に原因を洗い出し(=議論を広げる)、影響が大きい要因を特定する(=議論を絞る)ことを意識します。ある程度絞り込まれたら「深める」質問を問いかけ、「本質的な原因=真因」を見出す段階に移ります。「なぜ」を繰り返し、真因を探るのです。
⑸ 対策の立案・実行:How「どうすればよいか?」
ここでの主要な論点は、
・取りうる選択肢は?
・どの選択肢をどのような基準で順位付けするのか?
・ある選択肢をとった際に想定されるリスクは何か?
対応策はあるのか?
の3つです。
選択する基準について合意する必要があります。一般的な基準は、効果の大きさ、実行スピード、かかるコスト、リスクなどがあります。前述のとおり、ペイオフマトリックスを用いて選択肢の優劣を見極めることができます。
⑹ 実行プラン・コミットの確認・共有
メンバーが対策案の実行に向け、動き出せるように「いつ、誰が、何をするのか?」を具体的に考え、期限を決めます。重要なのは、責任者を明確にすることです。全体の責任者、各作業を行う責任者を決めます。そうしなければ、実行されず、’話し合っただけ’になります。
参考図書
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