詩 『またいつかくる告白のために』
あの白く輝くすすきを見て
美しい言葉をいって、ときみはねだった
何もいえなかった
気のきいたことを
いおうとしたわけじゃないけれど
素直にいえばよかった
ひとこと あいしてると
高原にはむきだしの
傷つきやすい風が吹いて
耳をすますと
さらさらと音がする
砂糖が流れているような
そんなときじゃないと
うまくいえない
あいしてるなんて
ぼくの声だけじゃ
伝わりそうにない
その髪一本一本に
太陽が住む
白く光ったり 金に光ったり
うつろわずにいる心なんてあるだろうか
つぎの秋の
黄金に輝くころには
もう少し成熟していよう
またいつか不意にやってくるかもしれない
告白のために
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