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【未来予測】AI時代だからこそ、リアルに価値が出る

私の持論ですが、AIが流行れば流行るほど、リアルに価値が出ると考えています。

近い将来、AIが流行って様々な便利なサービスが登場すれば、生活の質はどんどん向上していくはずです。そうなると、AIを使えば思い通りになるもの全般の価値が無くなり、AIを使っても思い通りにいかないものに価値が出てくるはずです。人間は思い通りにいかないものに価値を見出す生き物なので。

RPGゲームを例に出すと分かりやすいです。あるプレイヤーが、主人公のレベル上げの作業をしているとします。その作業はやっていて楽しいはずです。なぜなら、主人公のレベルが上がることで、以前は勝てなかったような強い敵を倒せるからです。それを楽しみに、プレイヤーはレベル上げに励みます。

しかし、もしAIがそのレベルアップの作業を代わりにやってくれるとしたらどうなるでしょう。レベルを上げるという楽しみはなくなります。AIに任せておけば、勝手にレベルアップするからです。そこにはキャラを育てるという喜びはありません。

そうなると、今度は純粋にストーリーを味わうとか、あえて低いレベル・弱い装備でボスキャラを倒すみたいな、これまでとは違ったゲームの楽しみ方が求められるようになってきます。

恐らく人間社会もこれと同じで、AIが「レベルアップ(≒生活の質の向上)」を担ってくれるなら、人間は「ストーリーを味わう≒人生を味わう)」とか「低いレベル・弱い装備でボスキャラを倒す(≒人生を戦略を練って攻略することを楽しむ)」みたいなことが求められるようになってきます。

つまり、RPGで自動的にレベル上げするような「何でも思い通り」の中には楽しみは存在せず、「思い通りにいかない」の中にこそ、楽しみがあるということです。

だからAI時代には、何でも思い通りになりやすい場所(例えば課金ゲームの世界やメタバースなど、何でもできる電脳世界)には価値は出にくく、逆に思い通りに行かない場所(何かしようと思ったら、それなりの難易度が求められるリアルの社会)に価値が出るようになる、というのが私の考えです。

思い通りにいかない世界の中で、完全に思い通りにはならなくても、少しでもそれに近づけるように工夫しながら生きていく。例えば近年のキャンプブームなんかも、その一例だと思います。自然という思い通りに行かない環境のなかで、テントを張って明かりを点け、好きな食材で料理をして味わう事で、自分の思い通りになる小さな隠れ家を作るわけです。自然という絶対に思い通りにならない大宇宙があるからこそ、テントの中という小宇宙の有難さに気付くことができるわけです。

結局は未来においても、そういう原始的な制約された喜びのなかに自分らしさを見出す人のほうが多数派になるのではないかと、私は思っています。そしてそのような制約された場とは、多くの場合、リアルの活動になると思うのです。(ネット世界なら、空を飛んだり、レベル999まで上げたり、何でも言いたい放題だったり、自分の思うがままにできて逆につまらないからです)

なのでAI時代になればなるほど、人と会うとか、美味しいものを食べるとか、スポーツで体を動かすとか、温泉に入るとか、自然と触れ合うとか、そういった現実世界で体験できることの価値は上がっていくと思います。


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